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宝塚歌劇花組全国ツアー公演「仮面のロマネスク」観劇 [┣宝塚観劇]

ミュージカル
「仮面のロマネスク」―ラクロ原作『危険な関係』よりー

脚本:柴田侑宏
演出:中村暁
作曲・編曲:寺田瀧雄
作曲・編曲・録音音楽指揮:吉田優子
振付:名倉加代子
装置:大橋泰弘
衣装:任田幾英
照明:湯田史人
音響:切江勝
小道具:三好佑磨
歌唱指導:飯田純子
演出助手:竹田悠一郎
装置補:稲生英介
衣装補:加藤真美
舞台進行:荒川陽平

2012年2月の中日劇場公演「仮面のロマネスク」は、その年の7月に退団した大空祐飛・野々すみ花・藤咲えりがメインの役どころを演じた作品なので、とても思い入れがある。その時に上演されたショー「Apasionado!!2」も、今年「Apasionado!!3」として全国ツアー演目になった。そういう年回りなのかな。懐かしく、そして、時は流れる…と実感する日々。

さて、4年前は、植田景子先生が演出した本作、今回は、中村暁先生が演出を行った。演出の違いか、出演者の学年が全体的に若返っているのか、だいぶ趣の違う公演となった。
ちょっと配役のおさらいをしてみましょうか。当時の学年も記載しておきます。中日は2月公演なので、たとえば研21で退団した祐飛さんは、研20で表記します。(Over研20については、今回は(―)表記にさせていただきますね。)

主な配役 今回出演者 2012宙組 
ヴァルモン 明日海 りお(14) 大空 祐飛(20) 
メルトゥイユ夫人  花乃 まりあ(7) 野々 すみ花(7) 
*~*~*
ローズモンド夫人 (ヴァルモンの伯母)五峰 亜季(―) 美穂 圭子(―) 
法院長(トゥールベル氏) 高翔 みず希(―) 寿 つかさ(―) 
ブランシャール夫人 花野 じゅりあ(17) 梨花 ますみ(―) 
ロベール(執事)夕霧 らい(15) 十輝 いりす(13) 
ヴィクトワール 芽吹 幸奈(13)純矢 ちとせ(9) 
ジェルクール(セシルの婚約者)鳳月 杏(11) 悠未 ひろ(15) 
ダンスニー 芹香 斗亜(10) 北翔 海莉(14) 
テチェンヌ夫人菜那 くらら(10)鈴奈 沙也(―) 
司祭ルブラン 航琉 ひびき(10)風羽 玲亜(8) 
ドラノワ夫人 美花 梨乃(10)花露 すみか(10) 
ガボット 舞月 なぎさ(9) 月映 樹茉(6) 
トゥールベル夫人 仙名 彩世(9) 藤咲 えり(7) 
ジル華雅 りりか(9)花音 舞(8) 
ジラルド夫人 新菜 かほ(9)花里 まな(7) 
アゾラン (ヴァルモンの従者)優波 慧(7) 凪七 瑠海(9) 
ヴァレリー 千幸 あき(7) 愛月 ひかる(5)
ベルロッシュ(メルトゥイユの恋人) 矢吹 世奈(6) 鳳翔 大(10) 
ジュリー(トゥールベルの召使) 春妃 うらら(6) 瀬音 リサ(5) 
リーザ 雛 リリカ(6)美桜 エリナ(2) 
ランベール伯爵 碧宮 るか(6)七海 ひろき(9)
ソフィ 茉玲 さや那(5) 夢涼 りあん(5) 
ボヌール夫人 茉玲 さや那(5)彩花 まり(3)
ナヴァラン 澄月 菜音(5)澄輝 さやと(7)
マリナ 桜花 りな(5) 真みや 涼子(3) 
ルイ 帆純 まひろ(4) 七生 眞希(3) 
ドミニク嬢 澪乃 しづか(4) 愛咲 まりあ(4) 
フレネー 高峰 潤(4)美月 悠(4)
セシル 音 くり寿(3) すみれ乃 麗(6) 
ジャン 聖乃 あすか(3) 和希 そら(2) 
テチェンヌ公爵 一之瀬 航季(3) 天玲 美音(7) 
ギョーム公爵 和 礼彩(3)秋音 光(2)
召使夏葉 ことり(2)
ラヴァル 芹尚 英(2)春瀬 央季(4)
ヌーボー 翼 杏寿(2) 夢月 せら(2) 
エミリー - 大海 亜呼(13) 
イヴォンヌ - 舞花 くるみ(7) 
ダフネ - 夢莉 みこ(6) 
シャイヨー夫人 - 結乃 かなり(5) 
カザレス氏 - 留美 絢(2)


ヴァルモン子爵とメルトゥイユ侯爵夫人の周囲の人間関係にしぼってみると、祐飛さんの研20は別にして、それほど若返ったわけではないんだな~[目]

やはり、どうしても、あの時の宙組公演と比べてしまうことはあったが、公演後半になると、今の花組としての魅力が出てきて、脚本の面白さを改めて感じる公演だった。
ヴァルモンが自問自答する場面、結局、彼が感じた裂け目に答えは出ない。
彼が築き上げた世界は、彼自身が中身の空洞にハッキリと気づく前に、あっけなく外側から崩壊してしまうからだ。
そういう物語を宝塚で観られるなんて、この作品だけかもしれない。

あっさりした演出にもかかわらず、その辺りの機微までを表現していた明日海りおには、感服というほかない[ぴかぴか(新しい)]

その一方で、全国ツアーという、制約の多い公演ということもあるのか、この作品が大切にしている複雑な時代背景をバッサリ切り捨ててしまった演出には、疑問を感じる。
そもそも「危険な関係」は、フランス革命時を舞台背景にしている。それをわざわざ19世紀の王政復古期に変更して、柴田先生が表現したかった世界観を再現する気がまるでない。柴田先生が、批判されても批判されても、この演出家を使い続ける理由がまったくわからない[爆弾][爆弾][爆弾]と思った。
植田景子先生版で観ている私には、あまりにあっさりしていて中身がなく、最後まで受け入れることができなかったのだが、柴田先生は、景子先生の演出はお好きではないのかな[exclamation&question]残念[exclamation×2]
具体的には、三人組の使い方と、庶民とブルジョワの違い…みたいなところだが、ほかにも、革命に与する貴族の存在をカットするなど、首をかしげるところが多かった。
まあ、世界観がなくても、美しい衣装と美しい出演者が恋のゲームを繰り広げるというだけで、面白いと見ることもできるかもしれない。そもそもの脚本にとらわれなければ。

以下出演者感想。

明日海りお(ヴァルモン子爵)…絶世の美男子、爛熟した時代、「政治は人事」となる世界で、美貌と才覚で社交界に君臨する男と女の秘めた恋、というテーマにピッタリの青年貴族っぷり。しかも、柴田先生の創り出した世界観を、たった一人で体現しようとする心意気に感動した。初日の段階では、一番若いトップだった明日海が、爛熟の色気をもって、場を制している[exclamation]素晴らしかったです[揺れるハート]

仮面のロマネスク.jpg花乃まりあ(メルトゥイユ侯爵夫人)…花乃自身には関係ないことかもしれないが、メルトゥイユ夫人と言えば…のドレス(こちらですね。ステージスタジオのサイトからお借りしています)のスカート部分、下からのぞいている紫のレースが、どうして赤になっちゃったんだろう[exclamation&question]
いきなり、下品な感じになっていて、驚いた。
このドレス自体、花ちゃんが着ていたものとは、少しデザインを変えているのだが、紫のレースがのぞいているところは変わっていない。
プログラム撮影時までは、紫のレースだったのに、なぜ…[exclamation&question]
と、関係ないところから始まったが、花乃は、野々すみ花をとても尊敬していたそうだ。
なので、セリフも野々のセリフ回しを真似ているような感じで、懐かしく感じた。でも、オペラでのぞくと全然違うので、ちょっと戸惑った。
どうも、花乃は髪の生え際ラインが男っぽい気がする。なので、髪をアップにすると、淑女っぽい雰囲気にならない。
メルトゥイユは、花乃のキャラじゃないな~と思う。よくやっていたけど。
でも、「あ・た・し」というのは、ちょっと下品な言い方だと思う。演出指示なら申し訳ないが、ここ、野々は「わ・た・し」と言っていたハズ[むかっ(怒り)]

芹香斗亜(ダンスニー)…この役って、研5とかの若手が演じた方が似合うような気がする。なのに、初演では、男臭い轟悠、再演では、すでに研15を迎えようとしていた北翔海莉…[爆弾]
男役10年を迎えた芹香は、そうは思えないフレッシュな可愛らしさを内包していて、ダンスニーらしいダンスニーを体現してくれた。
冒頭のMC的な部分とか、ヴァルモンに教えを乞う場面とか、わざとらしくない純粋な若者像。それでいて最後の場面のセシルへ向ける、情熱のほとばしる優しさもステキだった。

仙名彩世(トゥールベル夫人)…綺麗なんだけど洗練されてないものすごくやぼったい夫人に作っていて、こういうやり方もあるのか…と、目からうろこが落ちた。「これ以上の快楽があるとしても、私はそれを望みません」と、本気で言っているような…
でも、その方向性で演じるならば、恋を知ってからの変化は重要。仙名の芝居は、その辺の繊細さに欠けるように思った。星奈優里も、藤咲も泣きの芝居を得意としていたから、そこがちょっと不利だったかもしれない。

音くり寿(セシル)…修道院出たての世間知らずな美少女でジェルクール伯爵の婚約者だが、ダンスニーに好意を寄せている。そして、世間知らずゆえに、ヴァルモンの毒牙にかかってしまう役なのだが…あまりにも幼すぎて、彼女を毒牙にかけるのは、トップスターとしていかがなものか…と思ってしまった。
童顔は仕方がないが、それをカバーするような鬘など、工夫が必要に感じた。

鳳月杏(ジェルクール)…さんざん遊んだあげくに、何も知らない無垢な少女と結婚して、自分の好みに育て上げようとしている、フランス版光源氏。とはいえ、仕事熱心で、いつも反乱鎮圧に向かっている。今回、愛人役の美花梨乃が上品な作りだったこともあって、わりと真面目な人なのかも…という印象を受けた。そもそもフランス貴族たるもの、家庭内に恋愛は持ち込まないものよね。
そもそも過去に、メルトゥイユと付き合っていながら、ヴァルモンの恋人に手を出すとか、絶対に無理そう。でもお髭は似合ってました[黒ハート]髪をメッシュにしたのは、ちょい悪オヤジを意識したのかな[exclamation&question]

ソフィとボヌール夫人を演じた茉玲さや那が、可愛いし、きっちりと二役を演じ分けていて、GJ[かわいい]
ジュリー役の春妃うららも可愛かったが、相手役の優波慧がちょっとキャラ違いかな…と。もっと軽妙でいいと思うが、優波のキャラ的には、そういう方向性は難しかったのかな。
矢吹世奈は、メルトゥイユの愛人にしては地味というか、堅実な雰囲気。でも瞳はキラキラしていた。
ジェルクールの愛人役というポジションのドラノワ夫人・美花が、とても上品な、それでいてジェルクールを独占している、という矜持を感じさせる、素敵な雰囲気だった。

グランド・レビュー
「Melodia―熱く美しき旋律―」

作・演出:中村一徳
作曲・編曲:西村耕次、甲斐正人、鞍富真一、中川昌
録音音楽指揮:大谷木靖
振付:平澤智、KAZUMI-BOY、Bryant Baldwin、佐藤親教
装置:関谷敏昭
衣装監修:任田幾英
衣装:加藤真美
照明:湯田史人
音響:切江勝
小道具:三好佑磨
演出補:鈴木圭
舞台進行:荒川陽平

昨年大劇場公演で上演された作品が、ほぼそのまま上演されたが、ツアー用にトップスター明日海や、芹香、鳳月などが客席降りしてファンサービスするシーンが追加され、大いに沸かせた。
柚香光がツアーに出演しなかったため、3番手ポジションには鳳月が入ったが、抜擢に応え、歌にダンスに大活躍だった。

“今日は何の日”
【9月22日】
応天門の変。大納言伴善男やその子らが放火の罪で配流され、名家伴氏(大伴氏)は没落した(866=貞観8年)。
(←旧暦。新暦では、11月3日となる。)
「花の業平」だったかな、この場面、出てきましたよね。鈴鹿照さんが、伴善男だった。


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