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宝塚歌劇宙組全国ツアー公演「バレンシアの熱い花」ほか観劇 [┣宝塚観劇]

ミュージカル・ロマン
「バレンシアの熱い花」

作:柴田侑宏
演出:中村暁
作曲・編曲・録音音楽指揮:吉田優子
作曲・編曲:寺田瀧雄、河崎恒夫
振付:ANJU、蘭このみ
擬闘:清家三彦
装置:大橋泰弘、黒田利邦
衣装:任田幾英、小西松茂
照明:平田良一
音響:大坪正仁
小道具:市名史弥
歌唱指導:飯田純子
演出補:大野拓史
装置補:稲生英介
衣装補:加藤真美
舞台進行:阪田健嗣

宙組全国ツアー公演で、この古い作品(1976年初演)が、9年ぶりによみがえった。
長い宝塚の歴史の中では、時々トップ娘役がいない時代とか、複数いる時代とかがある。この作品は、月組トップスター榛名由梨が五條愛川と組む前の相手役不在時期の作品なので、娘役のおいしい役がいくつもあり、一人の娘役にすべてが集中している感じではない。
この手の作品に「アルジェの男」(1974年。鳳蘭の相手役不在時代)とか、「哀しみのコルドバ」(1985年。星組Wトップ娘役時代)などがあるが、不思議なことに、トップ娘役が確定している時代に再演されている。だからバランス悪い部分があるんだよね[爆弾]
なので、トップ娘役が出演できない全国ツアーにこの作品を持っていく、と聞いて、「ふむ、そう来たか[ひらめき]と思った。
あ、そうそう、2007年に上演された時の感想はこちらです。
ここでボロクソに書いていたプロローグは、最初に登場する男役三人(朝夏まなと・真風涼帆・澄輝さやと)のポーズが決まっていてとてもかっこよかった。
(あの時は、幕があいたらいきなり男役祭りで、そのシルエットが揃いもそろっていけてない!と大激怒だったのだ。)
全体的に、なんとなく、「哀しみのコルドバ」のプロローグを思い出すのは、娘役の衣装のせいかな[exclamation&question]
さて、この作品、W2番手、もしくは確立された3番手がいる場合には、なかなか座りのいい舞台になる。それと、ルカノールに誰を配するか、この辺りが、「バレンシア…」上演のポイントと思われる。あと、トップはフェルナンドに決まりとして、お貴族様のロドリーゴと、ラテン系のラモンをキャラクターで2番手・3番手のどっちかに振るというのは、どうも作品の空気を損なうような気がしてならない。
やはり2番手ロドリーゴの方が、断然よい話になると思うのだ。
2番手がラモンである場合、宝塚的には、完全な三角関係、もしくは、ヒロインは2番手と結ばれて終わる…という結末が「正しい」。ラモンにそこまでの配慮がされていないところが、この作品の面白さなのだが、それはラモンが2番手ではないからこそ、作れる物語だ。
一方、ロドリーゴの恋物語は、主筋となるフェルナンドの物語と並行して進み、最後までそこにあり続ける点で、間違いなく2番手の物語になっている。
もちろん、宝塚のスター変遷によって、2番手の役が変更になる、というケースはこれまでもあった。かつては各組に存在した「おいしい上級生」が居なくなったために、その上級生用の敵役のようなポジションを2番手用に構成し直すという形で。けれど、2番手と3番手の入れ替えはなかった。その最初のケースが、前回上演時の全ツだったのだろう。残念ながら私は観ていなくて、観ていたら劇団にお手紙を書いただろうなーと思ったが、今となってはあとの祭りだ。
劇団は柴田作品を、ていよく全ツに回せる中古品扱いしているのだろうか。まったく…[むかっ(怒り)]
上記理論からいくと、2番手を変更したいのであれば、ルカノールを2番手の敵役として置く方法はあり得ると思う。でもラモン2番手は、ない。てか、今回、真風をどうしてもラモンに当てたい理由がわからない。
前回は、蘭寿とむのラテン系が似合いすぎるから…!とハッキリ理由もわかっていた。それでも、大劇場公演は「役替り」にしたのだ。ロドリーゴの方が2番手役だからだ。
どこから、その方針が崩れたのか。脚本は変更されていないのに。
あっきーが、ロドリーゴすぎるから[exclamation&question]すごいな、あっきー[あせあせ(飛び散る汗)]

ナポレオン三世がヨーロッパを席巻していた時代のスペイン、バレンシアが舞台となっている。
主人公のフェルナンド(朝夏まなと)は、2年間のマジョルカ駐留を終え、レオン将軍(松風輝)のもとを訪ねる。かつての上司、レオン将軍は、すでに引退していたが、フェルナンドの不在中に、彼の父で元の領主を暗殺した犯人が、現領主のルカノールの手のものであったという事実をつかみ、クーデターの準備を始めていた。これを知ったフェルナンドは、父の復讐とバレンシアの民衆のために、共に戦うことを決意する。そのために、彼の帰りを待ちわびていた、将軍の孫娘、マルガリータ(星風まどか)との結婚は、しばらくお預けとなる。
フェルナンドは軍を辞め、遊びにうつつを抜かすふりをして、機会を待った。その中で、イサベル(伶美うらら)という酒場のダンサーと知り合い、恋に落ちる。
領主のルカノール(寿つかさ)は、相当な色好みで、以前は、前の領主夫人だったフェルナンドの母、セレスティーナ(純矢ちとせ)に懸想して追いかけまわしていたのだが、最近はようやく諦め、甥の恋人だったシルヴィア(遥羽らら)が父親の命乞いに来たところを言い含めて妻にしていた。
留学から帰って来た甥のロドリーゴ(澄輝さやと)はこの事実を知り、怒りに震えていた。が、ルカノールは、そこまでのロドリーゴの気持ちには気づかず、パーティーの席で、ロドリーゴを自分の後継者にすると言って周囲の喝さいを浴びていた。
フェルナンドは、ロドリーゴの気持ちに気づき、ルカノールを倒すために仲間に彼を加える。
この時、彼に事情を打ち明けた場所が、イサベルの働く酒場だったのだが、フェルナンドが到着する前に、そこで働くラモン(真風涼帆)とロドリーゴが小競り合いを起こしてしまう。そして、ラモンがレオン将軍の下で軍籍があったことを知り、彼も誘うのだが、断られてしまう。
ロドリーゴは、計画をシルヴィアに打ち明け、シルヴィアは、協力を約束する。
また、祭りの夜、酔ったルカノールの手下・バルカ(凛城きら)に妹のローラ(華妃まいら)を殺され、ラモンもまた、仲間に加わる決意をする。こうして復讐劇は始まるが、その成功はすべての人の哀しみを誘う結果となった。
ラストシーン、シルヴィアの姿が見えない、と探しに行ったロドリーゴの声だけが、イサベラと今生の別れをしたばかりのフェルナンドに届く。
「わたしのシルヴィアが死んだ」
それを聞いて、フェルナンドが、
「わたしのイサベラも死んだ」
と言って、芝居の幕が下りる。
このラストの台詞が、2007年当時めちゃくちゃ物議をかもした記憶がある。
というのも、

  1. ロドリーゴに失礼⇒本当に恋人が死んで横たわっている友人を前に、なんてこと言うんだ[exclamation]
  2. イサベラに失礼⇒イサベラが死んだことにしてフェルナンドは楽になるかもしれないが、イサベラの苦しみはこれから一生続く
    ということに対して、まったく配慮のない台詞[exclamation]

どんな風に言ったら、この台詞に説得力がもたせられるのか、中村A先生演出では、理解できるはずもないんだよねー[爆弾]

という部分については、今回も、なんだかなーという気持ちは残った。もう、台詞を換えるしか手はないかもしれない。

では、あらためて、特に贔屓がいるわけではない、1回しか観なかった人のフラットな感想を以下少しだけ…。
朝夏の白い軍服は、いい[黒ハート]このための「バレンシア…」ではないか、というくらい、いい[揺れるハート]
そして、ヒロインのイサベラを演じた伶美うららこのイサベラがたまらなく、いい。特に、フェルナンドがケガをしたかもしれない、と聞いて彼の屋敷まで行ったものの…というシーン、そしてラストシーン。自らヒロインの矜持を見せるだけでなく、相手役の朝夏真風を「いい男」に見せる。たっぷりとタメた泣きのシーンにイサベラの真骨頂がある。しかもそれは、普段のきっぷのよいアネゴ肌のイサベラを完璧に演じているからこそ。
いやいや、泣いたわー[もうやだ~(悲しい顔)]
[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]
そんなイサベラの全身全霊の思いをどこまで受け止めてるんだろうねー的な、貴族らしい鷹揚さのある朝夏フェルナンド。でも、ラストの慟哭で、彼もまた一生癒えない傷を背負ったのだ、ということが伝わる。台詞の裏側にある気持ちが、ものすごくドラマを盛り上げてくれるカップルで、この二人の芝居は、なんともいえない高揚感があった。
ところで、ラモンは金髪…というか明るい髪色だったが、ラテン系ではないのだろうか。真風自身、ラモン役にピッタリというわけでもないので、敢えてラモンをやらせた意図は不明。2番手としてのかっこいい雰囲気はあった。祭の場面で、“バレンシアの想い出”(「誰がために…」でピラールが歌う曲)を歌っていて、とても懐かしかった。
前回公演(2007年版)から、このシーンに追加された曲らしく、その時は、主役のフェルナンドが歌っていたようだ。
ロドリーゴの澄輝と、シルヴィアの遥羽ららコンビ。前評判がすごくよかったせいか、とても期待してしまって…。むしろ期待し過ぎてしまって…。
自分が観た感想としては、いや、わかるけど、やっぱり2番手の役なんだよねー[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]と思うにとどまった。澄輝の微妙な番手に合わせた扱いだと、どうも違和感がある。
あと、シルヴィアが若すぎて[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
ここまでシルヴィアが若いと、ルカノールがどうして“子どもがいないから、後継ぎをロドリーゴに”と言えるのか、わからない。一応、新婚なのに[爆弾][爆弾][爆弾]
ルカノールがすごいじいさんか、というと、そうでもないし、そもそも、悪そうに見えないのよ、すっしーさんは[爆弾]
それを言ったら、軍人に見えないまっぷーとか、え、そんだけの役にりんきら[exclamation&question]…とか、言いたいことは山ほどある。
そんな中で、みんな精一杯頑張ったんだよね、ということもわかるから、宙組の頑張りに、拍手を送りたい。中でも、星吹彩翔が年輩の役なのに、すごく雰囲気を出していて、感服してしまった。

ショーは、今年上演した、「HOT EYES!!」を上演。これ、たしか、大階段出しっぱなしで評判取った作品だったような…[あせあせ(飛び散る汗)]
要らなかったらしい、大階段…[爆弾][爆弾][爆弾]
感想は、一言で言うと、うららさま、うららさま、うららさま(笑)
本当に、今回のツアーは、うららさまにノックアウトされに行ったようなものでした[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

“今日は何の日”
【12月9日】
藤原信頼、源義朝らが二条天皇を軟禁、平治の乱が始まる(1159=平治元年)。
(←旧暦。新暦では1160年1月19日となります。)


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