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東京宝塚劇場花組新人公演(金色の砂漠)ミニ感想 [┣宝塚観劇]

花組東京新人公演「金色の砂漠」を観劇した。
上田久美子先生の大劇場作品では、前回の「星逢一夜」も観劇しているが、その時は、上田先生が演出したらしい。
今回は、まったく別作品を観たような印象が強かった。
新人公演担当は、町田菜花先生。以前担当した「こうもり」も観劇したが、あの時のような大胆改編はなかった印象。もっとも、上田先生のアイデアか町田先生のアイデアかは不明だが、子ども時代のギイとタルハーミネは本役が演じることなく構成されていた。これに関しては、子ども時代のシーンは意外と長いので、本公演では本役が演じないとかなりブーイングを浴びそうだが、新公で分けるというのは、ありだと思った。
本公演は、壮大な叙事詩の一部を切り取ったような、物語が歴史の中に埋没するように流れて行く感じが心地いいのだが、新人公演では、作品の世界観的な部分を排除し、新人たちの努力をストレートに観客に訴える形式をとったのかな、という印象。思った以上にキャスト個々への当て書きなので、世界観を壊さないように演じるとしたら、完コピしかなく、そうなったら本役の劣化版にしかならないわけだから、それは新人公演としてもったいない。
町田先生は自分への評価を捨てて、生徒が輝く道を選んだのかな。
とはいえ、そうであれば、町田先生の仕事は「演技指導」に特化されるわけで、そういう意味では、もっとすべき仕事はあったのではないか、という気はしている。経験の少ない生徒たちだからこそ。難しい芝居だから、本役に近いレベルに引き上げることは、本当に大変だとは思うけれども。
第一の感想は、本役さんってすごいんだなー[あせあせ(飛び散る汗)]でした。当て書き+毎日演じて足かけ2年ということはあるにせよ。

では、以下は、出演者感想です。
ギィ(本役=明日海りお)
綺城ひか理…暗い情念みたいなものを内に秘めているというよりは、自分に何かがある、ということを忘れずに成長した青年という感じ。歌は、今回はちょっと残念だったが、中盤から後半にかけて演技で魅せた。
華優希…幼少時代を演じたは、綺城の少年時代、ということがすんなり理解できる繋げ方で、タルハーミネとの絆をしっかりとバトンタッチしてくれていた。娘役なのに、男の子の台詞を低音域も使って余すところなく演じている。この人は、ポイントとなる台詞は立てて話すことができる。貴重な演者だと感じた。すべての場面が素晴らしかったです[ぴかぴか(新しい)]

タルハーミネ(本役=花乃まりあ)
城妃美伶…華のある美しさ。ああ、王女だな~とわかる見た目で、まず第一印象をクリア。ただ、タルハーミネが花乃という特殊な娘役に当て書きされているため、どうしても優しさが際立ってしまうように感じた。これは、しょうがないかな。タルハーミネのような役を演じる抽斗って、本来娘役に必要とも思えないから。いろいろな部分で、旬の娘役の美しさを感じたので、今回は、それでよしとしたい。
音くり寿…本役は罪のないわがまま王女を演じているが、同じわがままでも長女のそれは少し違う。その違いをちゃんと組み込んだわがままっぷりが見事でした[ぴかぴか(新しい)]子役としての演技の多彩さは、宝塚100年の歴史の中でも出色かもしれない。本役は、寝室で突っ伏して泣く場面で、その姿勢が子供らしいなぁ~と、仕草ひとつにも気を配っていることに感動したが、そんなことしなくても、子どもにしか見えない天才子役なのでした[exclamation]大健闘[exclamation×2]
子役コンビは、娘役の枠を超えて、この作品に取り組み、大殊勲賞だったと思います[ひらめき]

ジャー(本役=芹香斗亜)
亜蓮冬馬…本役とは全く違う役作りだったが、まず、冒頭からキラッキラのスター性を見せ、そこから、語り部としてしっかりとした口跡を見せ、実力派であることを印象づけた。その一方で、芹香は、この作品のカラーを背負っていると感じるのだが、亜蓮は、この新人公演のカラーにはなっていない。それは、あえて、なのか、力足らずだったのか、ちょっとわからなかった。ギィの物語とジャーの物語が両輪になっていないと、本公演と同じ感動には至らないのかな…そんなことを考えた。でも、ピンで見るなら、亜蓮のジャーも好きです。

ピピ(本役=英真なおき)
優波慧…子役二人と、大人になったギィとタルハーミネを繋ぐ接着剤の役割を、真摯に務めていた。こういう役柄の方が、ニンに合っているのかもしれない。子役のギィがピピから聞かされる「お前は自分に価値があることを知っていて、それを相手にも認めさせようとしている」みたいな台詞が、城に戻ってきた大人のギィと繋がっているように感じるのは、優波の尽力もあるような気がしている。

ナルギス(本役=高翔みず希)
矢吹世奈普通にうまいなーと思った。子役を娘役が演じているので、トップの男役が演じるのと同じように打擲するのでは、観客が受ける印象は違う。その辺の打ち方&受け方が本役とは違うバランスになっていて、この辺は演出を含めて感心した。あと、
ギィとタルハーミネを追いつめた場面の勝ち誇った芝居にもカタルシスを感じた。

ラクメ(本役=花野じゅりあ)
乙羽映見乙羽の長身と低くて深い声が生きた。主役側に暗い情念がない分、ラクメの方が情念を持って生きている感じ。魅力的な砂漠の女盗賊でした[黒ハート]

プリー(本役=瀬戸かずや)
聖乃あすか可愛かった[黒ハート]新人公演では、このプリーと第三王女と求婚者のトリオが一番うまくいくトリオに見えた。それだけ邪気も悪意もないプリーに見えたので、帰国してから王女に再会する場面も、戦闘シーンながら、どこかほっこりしてしまった。これくらい無邪気な方がいい役なのかも。

ジャハンギール(本役=鳳月杏)
飛龍つかさ飛龍の場合、本公演で回想シーンのジャハンギール王を演じているので、実は、本役だったりする。飛龍のジャハンギールが年を重ねた姿が鳳月になる、といった体なので。そんな飛龍のジャハンギール王は、本公演で演じている若きジャハンギールのその後を見るようで、なるほど~という出来。まったく違和感はない。あとは、もうテクニック的な部分で、自分が芝居をしていないところでの居方、というか、視線の定め方、みたいな部分に気を付けるといいかも。王様だからキョロキョロしちゃ変だよね。とはいえ、娘に対して振り上げた剣をどうしていいかわからず荒れるところの勢いは、本役以上の迫力を感じた。

ビルマーヤ(本役=桜咲彩花)
朝月希和…本役があまりにも当て書きだったので、朝月は、本役を完コピしているのかな[exclamation&question]という役作り。持ち味が違うので、完コピはあまり有効な手段には見えなかった。あと、歌も今回は残念な出来だった。また、朝月だけのせいではないが、ジャーとビルマーヤとゴラーズさんの関係性が、優しさに満ち溢れながら、どこか一蓮托生の諦念を内包している本公とはかけ離れたものになってしまったのは、とても残念[バッド(下向き矢印)]この世界観を町田先生が理解できなかった感もあるが。

アムダリヤ(本役=仙名彩世)
春妃うらら…童顔にもかかわらず、この人は、高貴な役や誇りある役が似合うんだな…と思った。本役は、ちょっとエキセントリックなところが魅力的なキャラクターだったが、春妃は、正当で真っ当な王妃として、ジャハンギールに対峙していた。その高貴な美しさに圧倒された。

ザール(本役=水美舞斗)
紅羽真希…ラクメの弟、という出会いの場面は、強烈インパクトではなかったが、後半は、イスファンディアールとなったギィのよき右腕という印象。

テオドロス(本役=柚香光)
帆純まひろ…明るい髪色がよく似合う。鷹揚な大国の王子という風情が似合っていた。

その他、印象に残ったあれこれ。

ゴラーズさんのとこに、いくら最上級生だからって千幸あきを配したのは、いかがなものかと。ま、そのおかがで、本役さんの素晴らしさを再確認したわけだけど。天真みちるのゴラーズさんのセリフからは、風景が立ち上がる。鳥のためにエサを撒くゴラーズさん。窓が開けられなくて蒸し風呂で耐えるゴラーズさんが[ぴかぴか(新しい)]

茉玲さや那のシャラデハは、本役の音くり寿によく似た風貌だったが、大人っぽい優しさを内包している。求婚者ソナイル役の桜舞しおんの可愛らしさ、奴隷プリー役の聖乃の罪のなさと相俟って、なんか微笑ましくなってしまった。

出演者の皆さん、お疲れ様でした[exclamation×2]


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