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宝塚歌劇花組東京公演「邪馬台国の風」観劇 [┣宝塚観劇]

古代ロマン
「邪馬台国の風」


作・演出:中村暁
作曲・編曲:西村耕次、鞍富真一、森本友紀
指揮:塩田明弘
振付:北浜竜也
殺陣:清家三彦
装置:新宮有紀
衣装:加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:加門清邦
小道具:三好佑磨
歌唱指導:飯田純子
演出助手:樫畑亜依子
装置補:國包洋子
舞台進行:宮脇学


中村暁先生は、1990年「黄昏色のハーフムーン」で大劇場デビューした。私が、宝塚再デビューした年だ。そして、これが宝塚歌劇には駄作もある、ということを再認識した作品だったと記憶している。(そもそも「レビュー交響楽」の超つまらなさに宝塚から足を洗ったヒト)
まあ、その時踏みとどまったからこそ、東京宝塚劇場公演連続観劇記録27年目を迎えているわけで、自らの忍耐力にあらためて感動している。(自己肯定)
その1990年以来、暁先生の作品は、どれもこれも駄作続き。とうとうショー作家に転身してみたら、これが意外と面白いので、このままショー作家になるかと思いきや、またまた変な芝居を書いてくる…ということを繰り返し、現在に至っている。もうひとつ、歌劇団では重要な任務があって、柴田侑宏先生の作品を演出することが多い。私は、決して柴田作品を生かしているとは思っていないが、演出が立っていないので、脚本家的には気分がよいのかもしれない。


さて「邪馬台国の風」。
またまた、駄作界に新風を吹き込んだというか、駄作道に果てはないというか…もはや、駄作界のカリスマ[ぴかぴか(新しい)]
古代と未来は、前提となる基礎知識が観客側にないから、提供側が世界観を有形無形で完全に紹介しないといけない。そんな力があるはずもないのに、なぜ、邪馬台国に挑んだのか…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
暁先生に表現できる世界は、「原作付き」レベルまでなのに。


作品を観た私の疑問…


(1)邪馬台国がどんなクニだったか、ほとんど解明されていない。魏志倭人伝に書かれた短い記録がその存在のすべてだ。なので、私たちは、暁先生の思う邪馬台国について、想像しなければならない。
⇒全く分からない。
どこにあったか、ということは、敢えて伏せてもいいが(無駄に敵を作ることになるしね)、クニとしての形態はしっかり説明してほしい。邪馬台国と、邪馬台国連合の関係性とか。
プログラムによると、これまでは、どうやら邪馬台国連合では、諸王の合議でものごとが決まっていたが(ここは書かれていない)、世の乱れを治めるために「連合の王」を立てようとしていて、そのために「神の声を聞く」巫女を呼び寄せることとなった…らしい。
まあ、そうは言っても、邪馬台国連合である以上、求心力は邪馬台国の王(羽立光来)にあったようだ。しかし、高齢(その後すぐ死ぬ)でもあるし(そもそもは長老として中心にいたのだろう)、そろそろ連合としての中心を決めた方がよい、ということだろうか。
しかし、諸王たち、卑弥呼が即位しても、ずーっと、邪馬台国に居座っている。
えーと…あなたたちのクニは、あなたたちがいなくても大丈夫なの[exclamation&question]
日照りの時も、みんな揃ってヒミコさまのところにやって来るし、タケヒコが盟神探湯(クガタチ)やることも、ヒミコを処刑することも全部合議で決めている。だったら、邪馬台国連合の女王とかいらなくね[exclamation&question]


(2)そもそもマナは、前邪馬台王のたっての頼みにより、遠方のムラから連れてこられた邪馬台国連合の女王候補の娘だったはず。
何故、大巫女(美穂圭子)の配下で他の巫女と同列になっているの[exclamation&question]巫女たち、大巫女の「巫(かんなぎ)は、神の声を聞けなくなったら死ななければならない」とかいうおどろおどろしい言葉を聞いて頷いているけど、みなさん、神の声を聞けるの[exclamation&question]だったら、わざわざ遠くのムラまで命懸けでマナを迎えに行かなくてもよくない[exclamation&question]てか、神の声は、アトランダムに巫女に下りたりしないの[exclamation&question]見た限り、芝居が始まってからは、マナ(ヒミコ)にしか下りてきてないんだけど、巫女たち、そろそろ集団自決とかしなきゃってこと[exclamation&question]
てか、祭りの夜に、巫女たち、男にリフトとかされてますけど、あれは(男に触れてますよね)よいのでしょうか[exclamation&question]


(3)アケヒ様(花野じゅりあ)は、前邪馬台王の娘だったらしい。で、次期大巫女の座を狙っていたらしい。ということは、少なくとも巫女の仲間だったわけよね。神の声が聴けるのよね。娘が巫女なのに、なんで、遠くのムラから危険を冒して…(以下略)
ちなみに、アケヒ様、タケヒコ達が命懸けで走り抜けた狗奴国への道を、ふつーに歩いて踏破。普通の女ではないと思う。


(4)狗奴国は、渡来人である李淵(高翔みず希)を招聘しようとしたが、本人に断られたので、あっさりと斬り捨てる。まあ、そもそも渡来人が世捨て人みたいな生活をしていることも不思議なんだけど、(倭国のために役に立ってもらうために、渡来していただいたんだから)断ったら殺せという命令、意味わかんないんですけど…。
いったい何のために呼ぶつもりだったの[exclamation&question]本当は、そんなに来てほしくなかったりして[exclamation&question]


書いてみると、それぞれは些末な話に見えるけど、設定だったり世界観だったりがちんぷんかんぷんだと、そこから先に進めないのだ。


あーもー全然わかんない…[爆弾]


出演者の皆様は、本当にお疲れ様でした[ダッシュ(走り出すさま)]


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東京宝塚劇場花組新人公演(邪馬台国の風)ミニ感想 [┣宝塚観劇]

花組新人公演を観劇してきました[exclamation×2]


観劇して、あらためて思ったのは、中村暁作品、ほんと意味分かんない…[爆弾]ということ。
本公演の出演者は、その力量とオーラで、かなりの部分、作品のとんでもなさを覆い隠してくれているらしい。新人公演は、出演者が真摯に向かい合えば、向かい合うほど、綻びが露呈する、という、いたたまれない現象が起きていた。
とはいえ、作品がいたたまれない分、出演者の熱量はストレートに伝わってきて、花組生、頑張ったな!と感じた。


そして、なんといっても、主演の飛龍つかさである。
かっこいい[ぴかぴか(新しい)]
本役、明日海りおの持ち味とは全然違う、野性味溢れるタケヒコで、自身の特長を考えた、飛龍らしいタケヒコ像だった。
もちろん、タケヒコの持つ優しさや、自分より他人のことを考える人間性はそのままに。
とても魅力的なタケヒコだった。
そして、思い切りのよい演技、伸びやかな歌声、下級生たちに向ける、包み込むような笑顔…この人に主演させたのは、大正解だなーと思った。
ご挨拶も初主演とは思えない落ち着きの中、初主演らしい初々しい感動をストレートに表現していて好印象。前回の「金色の砂漠」新人公演の時に主演の綺城ひか理も言っていたけど、「主演させていただいた責任」という思いが脈々と受け継がれていく花組、素敵だな~[ぴかぴか(新しい)]と思った。


ヒロイン、マナ=卑弥呼役の華優希。奇しくも、前作『金色の砂漠』本公演で、過去のジャハンギール王とアムダリヤ王妃を演じたコンビが再びまみえることになった。あの回想シーンが大好きだった私は、このコンビの空気感が好きなんだと思う。
邪馬台国とその連合王国の女王である卑弥呼の「中の人」であるマナは、神託を受けるという特技がある以外は、心優しいふつうの少女。しかし、その特技のために、女王という特別な地位につけられてしまい、混乱している。その混乱して困っている感が、ちょっと寂しげなメイクのにピッタリ。
二人の恋愛劇のクライマックスは、もう神託を聞くことができなくなり、処刑を待つばかりとなった卑弥呼=マナのところへ、タケヒコが現れ、「マナに戻って、二人で逃げよう」と提案するところだ。二人の将来を思い描き、幸せな気持ちに浸ったところで、無情にも、神託が下りる。(芝居では“神意”という言葉を使っているが、意味不明なので、神託と書かせてください。)
マナは女王として巫女としての自分を取り戻し、命に代えて、邪馬台諸国連合のために、敵の襲来を預言する。そして、それに対してタケヒコは、マナを死なせないために、神託が正しかったことを証明しようと、一晩でクナとの国境付近へ走る。思い合う二人が、それぞれの立場で精一杯生きるこの図が美しいし、その凛とした姿に、娘役の矜持も感じる。
愛称「はなちゃん」だけのことはある[exclamation×2]今後の成長が楽しみだ。


2番手のクコチヒコは、聖乃あすか冒頭は、台詞も歌も弱めで大丈夫?と思ったが、後半は生き生きと頑張っていた。美貌が光る。最後の場面は、本公演と少し違って、最後にもう一度バッサリ斬られてあえなく終了。なぜ、殺陣を変えたんだろう[exclamation&question]


専科の星条海斗が演じたクナ王は、矢吹世奈安定感抜群。ゲームのラスボスみたいな星条クナ王に比べ、良識的な雰囲気があるので、その分、脚本のひどさが際立ってしまった。マギー氏の外見には、そんな効果もあったのか。
てか、全軍を一か所に集めるとか、どんだけ素人だよ…[爆弾][爆弾][爆弾]


同じく専科の美穂圭子が演じた大巫女役は、音くり寿。この人、顔は子どもみたいなんだけど、声は大人っぽい声も出せる。古代ロマンな髪形も似合っていて、台詞も歌も素晴らしかった。


瀬戸かずやが演じているヨリヒクは、綺城ひか理どーんとした偉丈夫で、ひときわ豪華な衣装が良く似合う。役作りも本役とは大きく変えてきた印象。悪役上等!みたいな開き直りがあって、いっそ清々しい。


アケヒ(花野じゅりあ)役の春妃うらら綺城との同期コンビは、身長差ありつつも、二人の方向性が一致して見事な「悪いコンビ」になっていた。アケヒの美しさ、冷徹さを見事に体現し、小さな身体で、かっこいい悪女になっていた。クナ兵に幽閉される場面も、じたばたせずに不快感を表明していて、この人、「クイーン・メアリー」(BSプレミアムで放映している海外ドラマ)のカトリーヌ王妃とか似合うんじゃないか、なんて思ってしまった。今回の殊勲賞は文句なく春妃に!


タケヒコの師匠、李淵(高翔みず希)は、峰果とわ殺陣のキレが弱かったかな。わざわざ迎えに来るほどの人なんだろうか?と思ってしまった。一度限りの新人公演だと一番難しいとこかもしれない。年寄り感も出ていたり、出ていなかったり、新人には難しい役どころだったかも。真摯に取り組んでいるところは、好感度大だった。


タケヒコの仲間たち。フルドリ(柚香光)は帆純まひろ、ツブラメ(水美舞斗)は紅羽真希、イサカ(城妃美伶)は舞空瞳、そしてアシラ(鳳月杏)は亜蓮冬馬チームワークはそれなりに出ていたかな。優しいフルドリと元気いっぱいなツブラメの対比も鮮やかだった。ツブラメは最後に1回だけ台詞があるので、その声のコントロールは難しかったかもしれない。でもかっこよかった。イサカはめっちゃ美少女。いさましいけど可愛いから、デレつつ観てました。アシラは、本役より若い作りか。颯爽としていた。

どんな脚本でも演じるしかないタカラジェンヌだからこそ、いいホンを与えてほしいと心から感じた新人公演だった。


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ショー「Dramatic “S”!」感想 [┣宝塚観劇]

かんぽ生命ドリームシアター
Show Spirit
「Dramatic “S”!」


作・演出:中村一徳
作曲・編曲:西村耕次、甲斐正人、鞍富真一、中川昌、青木朝子
音楽指揮:大谷木靖
振付:御織ゆみ乃、平澤智、KAZUMI-BOY、Bryant Badwin、佐藤親教
装置:関谷敏昭
衣装:任田幾英
照明:勝柴次朗
音響:切江勝
小道具:西川昌希
歌唱指導:彩華千鶴
演出助手:熊倉飛鳥
衣装補:加藤真美
舞台進行:庄司哲久


第1場~4場 プロローグ
一徳先生のショーといえば、「人海戦術・踊りまくる」というイメージ。今回も熱いエネルギーでプロローグからガンガンいきます。
スターさんが次々と銀橋を渡りながら主題歌を歌い継ぐのは、素敵ですよね。
黒を基調としたシックな衣装なんだけど、ギラギラ感がすごい[ぴかぴか(新しい)]
そんな中、咲妃みゆが、「[るんるん]私の愛する人のイニシャルはS[るんるん]」と歌い出したのには、ドキッとしました[黒ハート]
さて、プロローグの総踊りの後、居残りのスターが場繋ぎで歌う、というシーンはよく見られるが、今回は、メンバーに驚いた。
煌羽レオ、真地佑果、諏訪さき、陽向春輝、縣千。これは、ファンの人も嬉しかっただろうな~[揺れるハート]


第5場~7場 Song&Dance
次は、Bryant先生振付の都会的なダンス場面。
スーツの男役とセクシーな娘役たちの群舞は、スピーディーでモダンでかっこいい[黒ハート]みゆちゃんの赤いドレスが大人っぽくて素敵でした[ぴかぴか(新しい)]


第8場~10場 サプール(パリ)
続いて、佐藤先生振付の幻想的な場面。
パリ。芸術家の男(望海風斗)の前に絵の具の精(星南のぞみ)らが現れ、描かれた美しい女たちの絵が立体化して、歌い、踊り出す。絵画の女として登場するのは、真彩希帆。次期トップコンビががっつり組んで歌い踊る。
絵画の女たちは、みんな、「Apasionado!!」のヴァレンチノの場面の衣装。ついつい男役が混じってないか探してしまった[あせあせ(飛び散る汗)]


第11場~13場 サンライズ
中詰は、KAZUMI-BOY先生。ピンク系のラテン衣装で全員が歌い踊る熱い場面。


第14場 ’S wonderful(青年の歌)
ここもBOY先生の振付。
タイトルの“S”にかけて、この曲を使ったんだろうなぁ~[わーい(嬉しい顔)]
大劇場の時は、次が初舞台生のロケットだったので、中詰のすぐあとがロケットでも問題なかったんだろうけど、中詰ラストは総踊りで、ロケットも20人以上出すとなると、出演者がダブるため、ここで着替えタイムが必要になる。
…というわけで、永久輝せあ、1曲フルで長々歌います[exclamation]たった一人で大劇場の舞台に立つ。なにそれ、美味しすぎる[ぴかぴか(新しい)]
全然、危なげなく、かっこよかったです[黒ハート]


第15場 ロケット
ロケットまでが、BOY先生の場面。お疲れ様です。


第16場~17場 Snou Troupe・絆
ここは平澤先生の振付。
衣装は、宙組の「ダンシング・フォー・ユー」のもの。最初に退団者が出てくるんだけど、ちぎちゃんや大ちゃんがいるので、デジャヴ感がハンパなかった。
場面の雰囲気は、えりたんの退団公演の同様の場面を思い出した。まだ、胸がちくっとする。
退団者だけでスタートする場面は、涙もの。そして、個々のメンバーとちぎちゃんのコンタクト、最後に、みんながちぎちゃんを囲むところ…涙腺決壊ポイントがいくつもあって大変でした…[もうやだ~(悲しい顔)]
でも、「絆」ポーズは、ちょっと笑える[わーい(嬉しい顔)]


第18場~22場 フィナーレ
最初の2場面は平澤先生。
咲妃のソロから、咲妃と若手娘役の場面。娘役が銀橋に並ぶのは、それだけでキラキラ感いっぱい[かわいい]オレンジや黄色のビタミンカラーが、先ほどまでの薄いグリーンのパステルカラーと好対照。咲妃と同期の妃華ゆきのが一人黄色のドレスで大人っぽい雰囲気。
続いて、男役の燕尾ナンバーは「ベサメ・ムーチョ」。早霧せいなの集大成らしく、小粋でスピーティーなダンスシーンは圧巻。なんだけど、ここも、なんかマイドリに雰囲気が似てるような感じがしないでもない。まあ、演出と振付が一緒だからねぇ…[爆弾]
ここから佐藤先生の振付に変わり、男役、娘役入り混じったナンバーで一徳先生お得意の場面。娘役を大事にしてくれるのは、嬉しいことです。
そして、ちぎみゆ最後のデュエットは、だいもんのカゲソロで、「別れの曲」。なんとまあ豪華な…[ぴかぴか(新しい)]直截的な…[バッド(下向き矢印)]白い衣装のお二人が神々しくて素晴らしかったです。
エトワールは、次期トップ娘役の真彩希帆。笑顔いっぱいのステキなソロでした[黒ハート]


二代続いて一徳先生のショーで卒業した雪組トップコンビ。これはこれで、よかったのかな…という気のするダイナミックなショーでした。


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宝塚雪組東京公演「幕末太陽傳」観劇 [┣宝塚観劇]

かんぽ生命ドリームシアター
ミュージカル・コメディ
「幕末太陽傳」
~原作 映画「幕末太陽傳」(C)日活株式会社
監督/川島雄三 脚本/田中啓一、川島雄三、今村昌平~


脚本・演出:小柳奈穂子
作曲・編曲:手島恭子
音楽指揮:寺嶋昌夫
振付:花柳寿楽、若央りさ
殺陣:清家三彦
装置:大橋泰弘
衣装:加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:増田恭兵
歌唱指導:山口正義
三味線指導:今藤和歌由
演出助手:栗田優香
装置補:稲生英介
舞台進行:庄司哲久


早霧せいな&咲妃みゆコンビの退団公演は、落語を題材とした古い日活映画を原作にした「幕末太陽傳」。この意外すぎる作品で、トップコンビは鮮やかに宝塚を去って行った。


脚本・演出は、現在、劇団の中で最も信頼できる演出家の一人である小柳奈穂子先生。
思えば、このコンビの大劇場お披露目公演も、小柳先生の「ルパン三世」、以来、雪組は、5作連続稼働率100%超という記録を達成する人気組に成長したのだった。そんな小柳先生の脚本・演出による、サヨナラ公演は、決して守りに入るのではなく、新しい宝塚の可能性を示す「楽しい」公演だった。


東海道五十三次、お江戸日本橋を出て一番最初の宿は品川。しかし、日本橋から品川なら江戸時代でも数時間で踏破できてしまう。こんな中途半端な場所にある宿に泊まる人々は、もちろん旅人ではない。
ここ、品川の宿には、北の吉原と並ぶ、でっかい歓楽街があった。 


品川-3.jpg以前、東海道五十三次を歩くイベントに参加した時、品川宿にも立ち寄りました。こちらが、土蔵相模の跡地。現在は普通の民家(マンション)になっていて、立て看板だけが残っています。というわけで、看板だけを撮影してきました。


 「土蔵相模跡」
 旅籠屋を営む相模屋は外壁が土蔵のような海鼠壁だったので、「土蔵相模」と呼ばれていました。1862(文久2)年、品川御殿山の英国公使館建設に際して、攘夷論者の高杉晋作や久坂玄瑞らは、この土蔵相模で密議をこらし、同年12月12日夜半に焼き討ちを実行しました。幕末の歴史の舞台となったところです。


と書いてあります。


冒頭のナレーションでも説明されている通り、ちょっと歩くと京浜国道。シンゴジラが、上陸し、崩壊した、八ツ山橋からちょっと行った辺り。江戸時代は、坂を下りたら海が広がっていたとか。


やつやまばし.jpgそんな場所に、旅籠屋、土蔵相模はあった。


ちなみに、映画「幕末太陽傳」は、「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」などの古典落語が原作になっているとか。
実は、「居残り佐平次」は三遊亭圓生の、「品川心中」は古今亭志ん生の得意の噺であったとか。
なんだか、ゆうひさんの次回公演のことも思い起こしてしまいますね。私だけ[exclamation&question]


胸を病んだ佐平次(早霧せいな)は、養生のために、この土蔵相模への居残りを決行する。「居残り」というのは、宿代を払えないのでチェックアウトできない宿泊客のことらしい。
持ち前の機転で、相模屋の主人や奉公人の心を掴んで、見世で起きるトラブルもただちに解決、すぐに「頼りになる」存在になっていく。
相模屋には、たくさんの女郎がいたが、中でも、おそめ(咲妃みゆ)と、こはる(星乃あんり)の二人が妍を競っている。
特に、こはるは、何人もの客に起請文を出したり、派手に「廻し」をやったりして、えげつなく稼いでいる。一方、おそめの方は、地元出身のせいか、年季が明けても帰る場所がないと知っているので、それほど仕事熱心ではない。そのため、借金の返済を迫られると、あっさり心中を企んだりする。
一方、この相模屋を隠れ家にしている攘夷派の武士、高杉晋作(望海風斗)らは、御殿山(八ツ山橋の先)に建設予定の英国公使館襲撃計画を練っている。
そんなたくましい人々の人間模様が、幕末版「グランドホテル」のように展開する。けれど、その物語は決して悲劇ではなくて、人々の逞しさの方が運命を上回ってしまう。


というわけで、実に気持のよいサヨナラ公演だった。
相模屋のセットがまず素晴らしかった。
関東より東にある遊廓は、たいがい「廻し」という制度を採っていたそうで、複数の男に一人の遊女をあてがう。遊女が別の男の部屋にいる間、自分の部屋で順番を待っていたわけだ。そして旅籠も「廻し」がやりやすいような設計になっていて、できるだけ移動距離が短くて済むようにひとつの廊下をぐるりと五部屋が囲んでいるみたいな部屋割りになっている。それを舞台でやると死角ができるので、2階の横一列がこはるのために「廻し」部屋になっていて、それぞれの客がこはるを待っている姿を同時に客席が拝めるようになっている。
何度も観劇したら、そんな一人一人の客の様子や、階下で悲喜劇を繰り返している遊女たちの芝居を楽しめたんじゃないか、と思うが、チケット難でとてもそんな余裕はなく、残念だった。


主演の早霧は、まさに、佐平次そのものだったし、咲妃はおそめそのものだった。それ以外の言葉が浮かばない。あーだこーだ感想を書き散らかしても、結局、そこに落ち着く、神演技だった。
ラストシーン、病を治すために、ヘボン先生についてアメリカに渡ろうとする佐平次と、一緒に旅立つおそめ。二人の前途は多難であろうと理性では思うのだが、絶対にこれはハッピーエンドで、二人はアメリカで大成功しちゃうんじゃないか、そんなお気楽な空気が漂うのは、二人の空気感と演出が呼応したからだろう。
その他の出演者もみな、適材適所の大活躍だったが、やはり、この公演を最後に退団する星乃の怪演は、まず、特筆しておきたい。
おそめとのキャットファイトのえげつなさ、五人廻し三枚起請も顔色一つ変えずにやってのける面の皮の厚さ、それでいて、長州藩のお金のない連中を匿ってやる男気を示したり、高杉には心底惚れてるような色気も見せる。いい女だな~[ぴかぴか(新しい)]どこか子供っぽくて損をしていたあんりちゃんが、いい女になって卒業するんだな…と思うと、泣けて仕方がなかった。


退団者中心になってしまうが、香綾しずるの鬼島又兵衛も、大人の可愛らしさのある素敵な役だったし、おそめの心中相手に選ばれた鳳翔大の金ちゃんも最高に笑える素敵な役だった。


日本ものの雪組に、また新たな伝説ができたな、と思った公演だった。


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宝塚星組梅田芸術劇場メインホール公演「オーム・シャンティ・オーム」観劇 [┣宝塚観劇]

マサラ・ミュージカル
「オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻~」


脚本・演出:小柳奈穂子
作曲・編曲:青木朝子
振付:御織ゆみ乃、AYAKO、KAZUMI-BOY
殺陣:栗原直樹
装置:二村周作
衣装:有村淳
照明:笠原俊幸
音響:大坪正仁
小道具:西川昌希
インド舞踊指導:野火杏子
歌唱指導:彩華千鶴
映像:奥秀太郎
演出助手:野口幸作
舞台進行:阪田健嗣
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:西山晃浩
制作補:中下駿
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:株式会社梅田芸術劇場


1月に東京で上演されたプレお披露目公演「オーム・シャンティ・オーム」を大阪でも上演することになった本作品、トップコンビ以外の配役が大きく変わったことも話題となっている。
この公演をさっそく観に行って来ました。
なお、前回公演の感想はこちらです。


内容は、1月公演の通りなので、あらすじ等は、上記感想を読んでいただければ幸いです。


ということで、さっそく、出演者感想を役替り中心に。
まず、なんといっても、ムケーシュ役に七海ひろきについて。


ムケーシュは、悪役。
どこをとっても「悪」なキャラクター。
そんなムケーシュを、まさかの、説得力のある「悪」として造形してきた「脚本の読み込み能力」と「演技力」には、脱帽。
まあ、演技力については、前から感じていたものの、芝居が盛り上がったところで歌になる、という宝塚では、そこでだいぶトーンダウンしてしまっていた。
しかし、スカピンを経ての今回、すっかり歌えるようになったかいちゃん、特に2幕のソロが素晴らしくて、そうなったことで、俄然演技にも説得力が増した。
「悪の魅力」でガンガン押してくることちゃんのムケーシュも素敵だったが、オーム・マキージャーと同じように、金もコネもない状況から、プロデューサーにまでのし上がるためには、そうするしかなかった、裏切り、蹴落とした人々の屍の上に今の自分がある、と自覚し続ける七海ムケーシュは、その半生を身に着けた凄味のようなものがあって、これまた魅力的だった。


続いて、オーム・カプールの父親、ラージェシュ・カプール役の天寿光希。1幕では、超イケメン。臨月の妻が階段降りてるのに、サポートもしないでポーズを取っているというところに、どんだけイケメンなんだ…[バッド(下向き矢印)]と、思った。彼にとって、妻も生まれてくる子供も、この時点ではアクセサリーだったのね。
2幕になると、当然、イケオジになっていて、しかも、超子煩悩。カプール家の人間関係がより濃密に、リアルになっていて面白かった。


カプール家の秘書、アンワルは大輝真琴。コミカルな芝居で、場を盛り上げていた。本役以外のダンスシーンなどでも、小柄ながら、やたら目立っていた。


スパーシュ・ガイ監督の瀬稀ゆりと。前回はアンワル役だった。どちらの役も、的確に演じていてピッタリで、しかもスターの邪魔にならない居方をしていて、尊敬しかない。それでいて存在感はあるんだよー[グッド(上向き矢印)]


パップー役の麻央侑希なんともゆる~い感じが、のオームとよい対になっていた感じ。おじさんになっても、全然変わってなくて…この人の人生が少し心配になった。
その分、リシ役の十碧れいやの方が、イケオジを目指したけど、ボンボン感の抜けてない、愛すべきキャラになっていて、素敵だった。


SP役の紫藤りゅう遥斗勇帆SPじゃない時も踊りまくって目立っていた。しどりゅーは、ちょい悪イケメンで目が離せず、遥斗くんは、30年後のオヤジっぷりが、あまりにも堂に入っていて、目がテン。これは、ちょっと目が離せない。


そして、トップコンビは、さらに息がピッタリで、現代のおとぎ話がよく似合う。


フィナーレナンバーで客席も一緒に踊るところも楽しかった。


みなさまも、暑い夏が、もっと熱くなる梅田に皆様もGO[exclamation×2]


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宝塚星組シアター・ドラマシティ公演「阿弖流為」観劇 [┣宝塚観劇]

「阿弖流為―ATERUI―」


原作:高橋克彦「火怨 北の耀星アテルイ」(講談社文庫)(C)高橋克彦/講談社


脚本・演出:大野拓史
作曲・編曲:高橋恵、玉麻尚一
振付:峰さを理、平澤智
殺陣:清家三彦
装置:新宮有紀
衣装:河底美由紀
照明:氷谷信雄
音響:実吉英一
小道具:増田恭兵
歌唱指導:KIKO
サウンドプログラマー:上田秀夫
映像:九頭竜ちあき
演出助手:生駒怜子
舞台進行:荒金健二
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:西山晃浩
制作補:中下駿
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:株式会社梅田芸術劇場


スケジュールの関係で、たった一度だけの観劇になりました。


が、30名の星組生を見事に使い切った大野先生の渾身の傑作、しかと受け止めました[ぴかぴか(新しい)]


あまりの感動で、友人としゃべり続け、飲み続け、翌朝起きたら、声が出なかった…という(笑)


桓武天皇(万里柚美)の時代、北方の蝦夷(えみし)を殲滅しようとする平安貴族に対して立ち上がった阿弖流為(礼真琴)たちの戦いの歴史を丁寧に描いた物語。やがて、朝廷は坂上田村麻呂(瀬央ゆりあ)を征夷大将軍に任じ、最終決戦の時が近づく。そして…。


桓武天皇といえば、平安京に遷都した天皇。遷都は794年。鳴くよウグイス平安京。
平安京は、四神相応の地らしく、そこに遷都した桓武天皇は風水的なものに頼っていたのかもしれない。とすれば、鬼門は気になるハズ。鬼門といえば艮(うしとら)。京都から見ると、それって東北地方になるらしい。まあ、そんなわけで、東北平定を命じたんじゃないか、なんて説があるそうです。
そして、桓武天皇は、皇太子・早良親王(異母弟)を廃した時に、早良に憤死され、その亡霊に怯えていたというエピソードがある人らしいです。恨みを残して死んだ人は亡霊になるので、事実上、死刑を廃止した天皇でもあるんだとか。その桓武天皇が、阿弖流為を死罪にした、しかも、京都にも入れようとしなかった、ということが、朝廷の蝦夷に対する「考え方」に繋がっている。
人間じゃないと思っていた、ということです。


だから存在そのものを不必要に恐れた。
でも、躊躇せずに殺せた。


聖徳太子の時代や、すこし下って大化の改新の時代だと、朝廷側の人間に「えみし」という名が出てきます。
この時点では、えみし=強いという好イメージだったようです。
いつから、敵という認識になったのか。
それは、もしかしたら、朝廷に仕える貴族たちの「領土問題」のせいかもしれない。「誰の土地でもない場所」だとするために、先住のえみしたちは、「人ではない=獣」ということにしてしまった。それなら奪っても問題ない。
「えみし」は、蘇我蝦夷みたいな漢字もあれば、小野毛人みたいな漢字もあるそうで、古代は、「毛人」の方が主流だったとか。
毛人だと、まるで、美女と野獣の「野獣」みたいなイメージですね。野獣は心優しく、教養もあるのに、それを退治しろ~[exclamation]とかって押し寄せるのは、まるでガストンに扇動された村人たちですね[爆弾]


実際、作品中の蝦夷メンバー、髪の毛がやたらと多かったです。(え、そこ[exclamation&question]


それにしても、出演者の適材適所ぶり、それぞれ誰一人が欠けても成立しない、見事な芝居だった。
さらに、主演の礼真琴はじめ、多くの出演者が、これまで持たれていたイメージとは少し違うキャラクターを当てられていたが、これが、意外にピッタリと嵌まっていて、座付き作者による、アテガキの妙を感じた。


以下、アトランダムに出演者感想を書きます。(一回しか観ていないので、整理するのが難しい。)


に関しては、押しも押されもしない主演っぷりで、まったく危なげがない。ナイーブな若者が似合うのかと思っていたら、骨太なツワモノもピッタリ。どこまで成長するのか、この逸材は[exclamation×2]


有沙瞳は、星組に来て初めての小劇場ヒロイン。本人イメージに合わせたのか、気の強い、芯のしっかりした女性として描かれている。たしかに、こういう人が妻でなかったら、置いていくことはできなかっただろう。そんな中にも、ヒロインらしいキラキラ感を見せ、歌声もの美声にしっかりと寄り添っていたと思う。


・史上初の征夷大将軍、坂上田村麻呂を演じた瀬央。これはいい役だった。そして難しい役でもあった。阿弖流為や母礼や飛良手の命を、彼一人がその身に受け止めるという役だから。(蝦夷を人間だと思っていない貴族たちは、彼らが死んでも、少しも気に留めないだろう。)感情を出す場面と抑える場面をきっちりと把握しての表現が素晴らしかった。


・桓武天皇の万里。男役を観たのは初めてだったが、見事な美丈夫だった。なぜだか、娘役の時より、いい芝居に思えた。


・鮮麻呂の壱城あずさ感情を抑えているしーらんって、あまり観たことがないのだが、それが、グッと胸に迫った。いい意味で、予想を裏切られた感じ。


・田村麻呂の妹、全子を演じた音波みのり小劇場のはるこちゃんは、女神だな。1月の「燃ゆる風」に続いて、今回も、女神として作品の中に君臨していた。女神だけど、芝居は神なんだよね、これが。


・紀広純を演じたのは、輝咲玲央。蝦夷鎮圧の手練れとして、朝廷からも厚く遇され、自負もしていたのに、まさか、配下の鮮麻呂に裏切られ、殺害される。それまでの傍若無人っぷりといい、裏切りへの対応といい、まさにオレ輝咲の世界でした[黒ハート]


紀古佐美を演じた夏樹れいの曲者っぷり[exclamation]御園徹成を演じた漣レイラのイケメンっぷり[exclamation]伊佐西古を演じたひろ香祐の、まさに、ここにあり[exclamation]な一連の芝居[exclamation×2]これだけ台詞しゃべるヒーローをずっとずっと待ってたんだよ~[もうやだ~(悲しい顔)]諸絞を演じた音咲いつきの最後の男役ぶり[exclamation]ここまで、かっこいい男役で終わるなんて、転向が発表されていただけに、信じられなかった。


・飛良手を演じた天華えま。これまた、めっちゃいい役やんけー[るんるん]ラストの田村麻呂との場面なんて、素敵すぎる[黒ハート]そして、母礼を演じた綾凰華この役が二番手でもおかしくない大役を、完全に自分のものにしていた。これほどの役者だったのか、と驚いた。雪組への異動は、役者の子には朗報だと思う。頑張れ[exclamation]


・その他、またまた少年役を演じた天彩峰里も、うまかった。阿奴志己役の天飛華音は、え、誰[exclamation&question]と思うほどの若手(102期)なのに、もう男役として出来ている。すごい[exclamation×2]…みんなみんなすごかった~[exclamation×2]天鈴さんとか、鮮麻呂の奥さんとか、気になる人もいっぱいいたけど、なにしろ一度の観劇では、自分の中で消化できなくて、細かく書けなくてごめんなさい[あせあせ(飛び散る汗)]
とにかく、素晴らしい公演でした[ぴかぴか(新しい)]


最後に…映像相手に剣を振るう場面は、さすがに、もう、前田慶次で納得したでしょ[exclamation&question]と、大野先生の少年心を残念に思った。
あと、馬を追って追いついて…みたいな場面も映像でやるほどのことはないと思うんですけどね。そこまでの映像じゃないし、それくらい台詞に滲ませたってわかるよ…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


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宝塚月組大劇場公演 [┣宝塚観劇]

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劇場ロビーの花は、公演をイメージしたものでしょうか。銃士隊のメンバーは、ブルーのデニム地コスチュームなので、色合いはこんな感じ。


また、1F席後方扉前で、ベルフォンテーヌという白ワインと、ベルフォンテーヌを使ったカクテル「Soleil(太陽)」を販売。


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私は、ネーミングから「Soleil」の方を選びました。ベルフォンテーヌは、ガスコン地方(ダルタニアンの出身地)のワインのようですね。 


さて、小池先生ご自身がプログラムにさっくりと書いているので、例の話は、ネタバレではない、と判断して書きますね。
冒険活劇、というジャンルになると思うのですが、いや、もう、完璧に面白かった~!
17世紀だから…なのか、NPO法人もエコホテルもマッドサイエンティストもいなくて、宝塚ファンにはおなじみのルイ14世時代の宮廷と三銃士の世界が、ごく普通に融合しているという…。三銃士は登場するけど、物語はデュマの三銃士とは別物。こういう創作世界は、ありかもしれない!と、感動した。
それぞれのキャラクターが、月組の各生徒に見事にアテ書きされ、1本物の長い物語が、まったく飽きずに進んでいく。
なにか、奇跡?手品?を見せられているような3時間だった。
小池先生すごいわーと感動しきりだったが、これ、珠城りょうが主演じゃなかったら、こんなに素直に感動したかな[exclamation&question]という気も少しする。現役生で比較するのはまずいから、たとえば、大空さんだったら…最終的にはどうにかするかもしれないけど、ハッピーなミュージカルにするために、すごくエネルギーを使うと思う。 若さと温かさとプラスのエネルギーに満ちた珠城トップの月組だからこそ、この作品は、ここまで輝けているし、さらに上を目指せそう!
ルイ14世を演じる愛希れいかも、国王として、男の子として生きなければならない「公」の部分と、女子度高い「私」の部分の演じ分けが見事で、国家のために国王でいることを強いながら、いつかきっと双子のきょうだいが現れて、彼女を解放してくれることを信じて疑わず、「私」の部分では女子として育ててくれた、母上(憧花ゆりの)、ありがとう!と思った。
三銃士も個性がハッキリしていて、みんな素敵で、ドキドキしてしまうし。その他の登場人物もすべてキャラが立っているし、月城かなとも良い役で月組デビューできたと思う。まさか、こういう役とは、途中まで思いもしなかったけど。
そんな中で、2番手として自由に泳ぎ始めた美弥るりかに瞠目した。 小池先生の見せ方も、「太王四神記」の時のゆうひさん並みで。トップより上級生2番手のせいかな。キャラもモテモテのアラミスで、華やかなヘアスタイルが良く似合う。フィナーレ冒頭のセリ上がり主題歌も堂々としていて、これはもうほんとにひょっとするかも?と、思うほどのスターとしての完成度だった。
久々の強行軍だったが、幸先のよい月組公演でした。


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公演後、大劇場隣のレストランフェリエでランチ。
まずは、オードブル。ガスパチョに浮かべた三種のマリネ。
ルイ14世の時代には、食事はスープから始まったそうで、鯛・帆立・赤海老のマリネを浮かべたトマトの冷製スープ。
三種のマリネが三銃士を思わせる。美味でした。


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メイン料理は、牛肉のポッシェ。
牛のモモ肉をコンソメで低温調理。ソースも美味でした。


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デザートは、トゥルト・ピレネー。ダルタニアンの故郷、ガスコーニュ地方、現在のミディ=ピレネーの焼き菓子。
カステラみたいな、もう少し堅い感じかな。甘さ控えめで美味でした。


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東京宝塚劇場雪組新人公演(幕末太陽傳)超ミニ感想 [┣宝塚観劇]

雪組東京新人公演「幕末太陽傳」を観劇した。


新人公演担当は、栗田優香先生。初めて、担当の新公を観る気がする。


いつもは、サクサクと観劇し、サクサクと感想をアップするのに…いやー、なんというんでしょうか…スピード感についていけない…[バッド(下向き矢印)]
(寄る年波…)
そもそも、本公演がチケ難であまり観られないので、本役が誰の新公が誰みたいな部分を把握しきれず…それゆえに、ますます新人がわからず…本当にただぼーっと観ているだけになってしもうた…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


そんな中、もう、一言言えるとしたら、永久輝せあ、すげぇ[exclamation×2]ということだけです。


もちろん、演技も度胸満点だし、心の感じられる永久輝らしい佐平次だと思ったのですが、永久輝だけの特長だなーといつも思うのは、終演後のご挨拶。
気持の伝わる心のこもった挨拶は、毎回すごいと思っている。
もちろん、どの組のどの生徒も、心のこもった挨拶をしていると思う。あの瞬間、感謝以外の気持ちを持って舞台に立つ人間はいないだろうし。
でも、「心がこもってるなぁ」だけでなく、稽古中の気持ちや、終演後の今の気持ちや、これからへの気持ちを、ちゃんと言葉で伝え、それを客席の一人一人に届ける力のある生徒は、ちょっとほかに見当たらない。
(トップさんの初日・千秋楽・貸切・ツアーの挨拶は、営業面が強くなるので、気持ちを伝えるというよりは、如才ないことが大事なので、ちょっと違う側面があるし、小劇場の主演さんは、感無量の気持ちが伝わればそれでいいものなので、こういう技量は、新公の主演者に特有のスキルだとは思うけれども。)


このまま、すくすく育ってほしい生徒の一人です。


ヒロインの、おそめ役は、野々花ひまり
初ヒロインだし、これまで、どういう役をしていたかもわからない。日本もので初ヒロインとか、大変だったと思う。このメイクで大丈夫だったのか、そもそも普段の顔を知らないのでわからない。でも…かなりやばかったような…[爆弾]


高杉晋作の縣千。セリ上がりの都々逸は、心臓が止まるかと思った。まあ、さすがに、研3だもんね。全体的には、度胸があったと思う。


もう誰が誰だかわからない中、こはる役の彩みちるが、さすがに一枚も二枚も上手だったのと、仏壇屋の親子(陽向春輝・彩海せら)が可愛かったのが印象に残った。


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宝塚花組大劇場公演 [┣宝塚観劇]

大劇場公演「邪馬台国の風/Sante!!」を観劇してきました。例によって箇条書きで公演感想を書きたいと思います。


  • 劇場の冷房が効きすぎていて、非常に寒かったが、もしかしたら、冷房だけのせいではないかもしれない[ダッシュ(走り出すさま)]
  • 中村暁先生の宝塚大劇場オリジナル芝居は、21世紀になって初めて…ということになる。前回のお芝居、「麗しのサブリナ」は原作ものだし、その前の「大海賊」はオリジナルだが、東京公演しかない、という変則的な上演だった[ひらめき]
  • 2017年、今世紀初のオリジナル芝居は…淡々と物語が進み、いつから盛り上がるのかな~と思っていたら、緞帳が降りてビックリ[exclamation×2]という、「愛と死のアラビア」方式だった[爆弾]
  • ショーは、さすが、藤井大介先生というか、「Cocktail-カクテル-」好きにはたまらない、ちょっと懐かしい感じのショー[るんるん]
  • プロローグの美女たち(男役5名)の美脚を覗かせた場面は、懐かしい岡田先生のレビューを思い出すような雰囲気もあり、藤井先生の円熟を感じた。これからも芳醇なワインのようなショー作りをしていただきたいです[黒ハート]

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宝塚歌劇月組東京特別公演「瑠璃色の刻」観劇 [┣宝塚観劇]

ミュージカル
「瑠璃色の刻」


作・演出:原田諒
作曲・編曲:玉麻尚一
振付:麻咲梨乃、良知真次
装置:松井るみ
衣装:有村淳
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:市川ふみ
歌唱指導:山口正義
演出助手:谷貴矢
舞台進行:阪田健嗣


ドラマシティもACTも日程が合わないまま過ぎてしまいそうだったので、決まっていた予定をやりくりして行ってきました。
まずは、みやちゃん、単独初主演、おめでとうございます[黒ハート]

今回の公演、私の中では、「月組2番手となった美弥るりかの単独DC公演」という部分がとても大きくて、少々話がアレだったとしても、ご祝儀で流せる自信は最初からありました[わーい(嬉しい顔)]そしたら、思いのほか面白くて、あら、これはいいんじゃないの?と思っていたら、あまりに超うっすーいラストシーンで、さすが原田先生(笑)となりました。
まあ、でも、ご祝儀だから、あんまり文句は言わない。
(少しは言うかもしれない)

オリジナル作品の初演の場合は、自分の中の備忘として、あらすじを丁寧に書いておくのだが、原田先生の場合、それができない。なぜなら、思い出せない部分が多いからだ。人間の記憶力には限界がある。そこを埋めるのが、登場人物の感情の流れ…なのだが、なんせ原田作品は、原田先生の都合で登場人物が動くので、あれ、あの後、なんでこうなったんだっけ?となる。一度しか観ていないと、さらにその「?」は深まる。
なので、今回は、あらすじを書く自信がない。
とりあえず、時は18世紀。フランス革命前夜の時代。シモン(美弥るりか)とジャック(月城かなと)という二人の旅役者が金目のものを求めてシャンボール城に忍び込んだことから物語は始まる。城の持ち主・サン・ジェルマン伯爵の肖像画を見て二人は驚く。なんとシモンにウリ二つだったのだ。
こうして、サン・ジェルマン伯爵とその従者・テオドールに扮したシモンとジャックは、ベルサイユに入り込み、王妃や貴族たちに取り入る。そして、国王が平民出身の財務大臣、ネッケル(輝月ゆうま)を解任しようとしている事実を知り、ロベスピエール(宇月颯)に情報を流す。そこからジャックは革命家の仲間入りをするが、シモンは自分を頼りにしている王妃アントワネット(白雪さち花)を見捨てることができなかった。一方で、シモンたちのいた旅役者一座が王妃のサロンにお目見得することになり、シモンたちは慌てる。王妃は、アデマール(海乃美月)の才能に気づき、ベルサイユのバレエ団に入れてやる。しかし、アデマールは、王妃への憎しみを募らせるだけだった。
そして-
という物語だったと思う。
この「そして-」という書き方は、以降の話がよく思い出せないので、そう書いている。てか、そもそも物語があったのか、よくわからない。
色々あったけど、三人は、サン・ジェルマンの城で、新たな人生の一歩を踏み出すんですよ、とにかく[爆弾]

原田先生にはオリジナル作品を物語る能力が欠如しているようなので、そこを責めるのはやめようと思う。早くショー作家になればいいのに…とは思うけれど。
ただ、宝塚の座付演出家として、バスティーユの場面はあれでよかったのか…、本人の中で、バスティーユをどう描こうとして、どう試行錯誤してあの場面に落ち着いたのか、聞いてみたい気持ちにはなった。“敵兵を描かずに正面に向かって武器を持って踊るダンスだけで戦いを表現する”って、かつて植田紳爾先生が「ベルサイユのばら」で編み出した手法だからね。
若い原田先生ならではのオリジナルなバスティーユはなかったのかな…と。
それに軍人でも民衆でもないロベスピエールが先頭で戦うって明らかに変だし。
オスカルをセンターにした、あのバスティーユのダンスの主旨がしっかりと理解できていないから、ロベスピエールセンターのダンスシーンを考えてしまうんだと思う。当時、ロベスピエールは、議員になったばかりの青年なわけで、どうして彼中心のダンスでバスティーユ攻略が成功するんだろう…。(史実ではオスカルはいないけど、フランス衛兵隊が寝返って、軍隊としての機能をバスティーユ攻略に向けたことが、バスティーユ陥落に繋がったんだし、少なくとも、センターのいる統制の取れたダンスは、そういう背景を表現するものだと思う。)
としちゃんのかっこいいダンスを観たいというのとは、別の次元だから、それ。
かっこよく踊ってくれるのは嬉しいけど、「ベルばら」みたい…と思われると、かっこよさが半減するじゃん[バッド(下向き矢印)]
もっと考えて、考えて、場面を作ってほしい。先輩が血を吐きながら作った場面に、タダで乗っかるなよ[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
安易に翻る三色旗(7/14当時はなかった)もそうなのだが、作品作りに、若者らしい生真面目さが感じられない。たぶん、その辺が一番私の苦手なところなのかもしれない。

そんな原田作品なので、登場人物の心の動きが、脚本からは読みとれない。
にもかかわらず、最後までシモンとジャックに寄り添うことができるのは、美弥月城の演技のたまものと言っていい。
美弥は、初めての単独主演公演が、失敗の許されないドラマシティ公演となったプレッシャーなどものともせず、冒頭の妖艶なサン・ジェルマン伯爵のダンスで、まず、観客のハートをくぎ付けにする。その後、登場する、本役のシモンで、決して100%好青年ではない、けれど根っからの悪人ではない、若さゆえの未完成さを持つ、なんとも言えない魅力的な青年像を表出する。
この美弥を観られただけで、今回の観劇目的は、達せられたと言っていい。
月組への移籍後初出演の月城は、ニンである生真面目なキャラクターを生かした直情的な青年を緻密に作り上げ、雪組での経験が、月組に花開こうとしているのを強く感じた。特に、彼女の美貌が美弥とのコンビで輝いていたことは特筆したい。
ヒロイン役を多数演じている海乃は、今回もお得意の、物堅い、思い詰めたヒロインを好演。ただ、従来、宝塚でヒロインになる娘役は、「ベルサイユのばら」(原作)のロザリーのように、マリー・アントワネットに否定的な考えに凝り固まっていても、一目アントワネットに会った途端、彼女の優しい美貌にメロメロになってしまうような素直な子が多かった。アデマールは、海乃が内包する、頑なで硬質な美貌にピッタリだったが、海乃のキャラクターは、宝塚の娘役トップスターの歴史を変えることになるのか、今後とも注目していきたい。21世紀的ヒロインとして、私は推したいのだけれど…。
とはいえ、作品の求心力的には、原田先生の作劇力のせいなのか、役者の技量なのか、すべてをかっさらっていくようなアントワネットの女帝力に、全部持って行かれた感が強い。白雪のアントワネットは、まさに神がかった熱演だった。白雪あってこその「瑠璃色の刻」と言っても過言ではない。やはり、アントワネットは登場しただけでヒロインになってしまう、不滅の女王なのかもしれない(=取扱注意)し、白雪さち花の底力を侮ってはならないということかもしれない。
アントワネット好きで白雪好きな私としては問題なかったが、ヒロインが途中からアントワネットになる、という演出はそれでよかったのかどうか、原田先生にお聞きしたいものである。
ロベスピエールの宇月は、血気盛んな青年議員から、革命成功後の恐怖政治家までを、少ない出番で的確に表現していた。少し甲高い声を使って、ロベスピエールの激しい気性を的確に表現していたのには、さすが[exclamation]と唸らされた。
また、ルイ16世(光月るう)と、王弟・プロヴァンス伯爵(貴澄隼人)、そしてネッケルのやり取りの緊迫感、逆に旅役者のフィリッポ(夢奈瑠音)の的確な訛りによる抜け感は、作品に彩りを与えていたと思う。特筆しておきたい。


フィナーレの振付は、俳優・ダンサーの良知真次氏が担当した。本人の踊る姿を思わず想像してしまうような、カッコいい群舞と、ある意味新鮮なデュエットダンス。印象的な各場面だった。
装置は、原田作品の常連、松井るみ氏。今回も時代背景にピッタリの階段のセットが秀逸。サン・ジェルマンの影たちが操る衝立も、描かれたトカゲ(?)の模様を含め、効果絶大だった。宝塚公演の特異性に対応したよいセットが続いているので、今後とも宜しくお願いします[黒ハート]


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夜の大看板[わーい(嬉しい顔)]


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