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宝塚歌劇花組全国ツアー公演「仮面のロマネスク」ほか観劇 [┣宝塚観劇]

ミュージカル
「仮面のロマネスク」
―ラクロ作『危険な関係』よりー

脚本:柴田侑宏
演出:中村暁
作曲・編曲:寺田瀧雄
作曲・編曲・録音音楽指揮:吉田優子
振付:名倉加代子
装置:大橋泰弘
衣装:任田幾英
照明:湯田史人
音響:宮廻みさよ
小道具:福井良安
歌唱指導:飯田純子
演出助手:町田菜花
装置補:稲生英介
衣装補;加藤真美
舞台進行:政村雄祐

前回公演からメインキャストを明日海りお以外全員変えて再びツアーに持っていくという、非常にレアケースな公演となった。どうして、こんなことになったのか、前回公演を取り消してやり直したい、という意味なのかな[爆弾]と思ってしまった。
たしかに、前回の公演は、「仮面のロマネスク」という柴田作品として、不十分な点が多かった。柴田先生が歴史に題材を取る時、ものすごく時代背景を重要視している。「そういう時代に生きた人間の物語」を描こうとしている。「仮面のロマネスク」に関して言えば、フランス革命期を舞台にした原作を、わざわざナポレオン没落後の王政復古期に移して描いたことに大きな意義があったはずだ。それなのに、前回公演では、各身分の人々の違いが演出しきれていなかった。
さて、半年後の再演はどんなものだったろうか。
主な出演者感想にからめて、全体像を記載する形にしていこうと思う。ちなみに前回の感想はこちらです。

明日海りお(ヴァルモン子爵)…明日海自身は、前回公演でほとんど完成していて、周囲が変わったことで大変わりすることはなかった。明日海のヴァルモンは、ある種の覚悟を持ちながら、少年のように獲物を追い続けるあくなき好奇心の塊。美しさはたとえようもないし、嫉妬心が強いところも少年っぽくて可愛い。「次はセシルだ」というのが、素直にうなずける。(ゆうひさんの時は、その台詞カットだったのよね[あせあせ(飛び散る汗)]
ラストの場面も美しくて、こうなった時には、命を捨てる覚悟があったからこそ、遊蕩児ができたのよね…と改めて納得できる。柴田先生の期待通りのヴァルモンだったのではないか[黒ハート]と思う。

仙名彩世(メルトゥイユ侯爵夫人)…絶世の美女感はなかったが、前回のトゥールベル夫人が全然垢ぬけてなかったので、ちょっと心配だったのは杞憂というか、あの時は役作りだったんだな…と納得。明日海とのバランスを考えたためか、髪形を盛らずにすっきりしたのが良かった。
自由闊達に恋を楽しめるクレバーな女性が、ツバメだと思っていたダンスニーに完全にコケにされたと思ってキレるシーンが印象的。でも、そのせいで決闘になってしまって、すごいショックを受けているところが、彼女の唯一見せた愚かさで…そこがすごく伝わって、メリハリに繋がっていた。

柚香光(ダンスニー)…思いのほか、嵌まっていた。こういう再演ものの時に、柚香にしかできない柚香らしい色をつけて、でも決して間違ってないいい味を出してくるところが面白い。今回は、セシルと声を合わせて歌う面白さ(可愛さ)、ヴァルモンに手ほどきを受ける場面の童貞臭、そしてセシルの名を聞いたとたんに豹変するメルトゥイユ邸での場面が秀逸だった。

桜咲彩花(トゥールベル夫人)…貞淑でいることに何の疑問も持たなかった夫人が、ヴァルモンによって背徳の悦びを知り、その直後にバッサリと捨てられる…メルトゥイユから見たら何の魅力も感じられないが、ヴァルモンからしたら、これほど興味深い女性はいない…そんなトゥールベル夫人を見事に体現していた。「私が友情を捧げるということは、すべてを捧げることなのです」と心の底から言い切っているのが、なんともいえない。ヴァルモン、ひどい男[爆弾]
ふたつのイメージシーンで、どちらも白い衣装で、ヴァルモンの愛を受け入れるところと、ヴァルモンに捨てられるところ、を演じているが、台詞はない中、夫人の気持ちが伝わって、なんとも言えない名シーンだった。

城妃美伶(セシル)…ピンクの衣装が似合う、可愛らしい花の盛り、といったレディを的確に演じていた。素でない部分でセシルを一から作った役者魂に感服した。親に言われるまま婚約したジェルクールへの「こんなものかな…」みたいな気持と、ダンスニーへの一途な恋心の違いとか、ヴァルモンへの無条件の信頼とか、だから、裏切られたショックとか…10代の娘らしい初々しさが出ていて、見事だった。前回のように、本当に子供に見えてしまうと、いろいろ興ざめだが、演技で若さを出してくれると安心できる。

瀬戸かずや(ジェルクール)…メルトゥイユやヴァルモンと同じく、社交界の中で恋を楽しんでいるが、メルトゥイユと付き合っている時にヴァルモンの恋人を奪った過去がある、という設定。家柄が良く、現役の軍人であり、現在はセシルと婚約している。そのため、メルトゥイユの標的になるのだが、「そういう粋人」な雰囲気がある。さんざん遊んで今度は無垢な少女と婚約する図々しさも含めて魅力的。それでいて優秀な軍人の側面もしっかりと見せていた。
惜しむらくは、前回の鳳月杏の時に存在した美花梨乃演じる愛人役的存在がいなかったこと。ああいう女性が側にいるだけで、すごく男が上がるというのを前回実感したので。

水美舞斗(アゾラン)…アゾランはおいしい役だが、同期がダンスニーをやる中でのアゾランは、それほどおいしい役ではないかもしれない。ただ、水美には合っていたと思う。主人に忠実であり、主人の行動に実は興味津々で、自分も自分の世界で同じようなことをやろうとしている、そんなアゾランの楽しい人生が浮かんでくる。
ジュリーとのラブラブモードも可愛かった。

夕霧らい(執事ロベール)…前回と同じ役という数少ない出演者の一人。華やかな夕霧には、この役はちょっと違う気がして、なのに同じ役なんだな…と。そして、ヴィクトワール役が芽吹幸奈から菜那くららに代わったことで、さらに似合わなさが増していた。

春妃うらら(ジル)・飛龍つかさ(ルイ)・泉まいら(ジャン)…前回どうしようもなかった三人組が良くなった。見事だった。この三人が作品のアクセントだし、時代背景の証人だし、柴田作品らしさの象徴なんだよーーーーー!前回のジュリー役も可愛かったし、娘役としてはジュリーやりたかったかもしれないけど、うららちゃんがジル役でも本領発揮してくれて素晴らしかった。

華優希(ジュリー)…主に私の周辺で、「可愛い~」と大評判の華優希ちゃん。ほんとに可愛かった(笑)
お芝居も浮ついていない、よいお芝居をする子だな~と思った。今後、柴田先生の作品には、絶対に連れて行きたい子です。

今回は、貴族サイドに民衆に肩入れしている人々が居ることとか、ブルジョワと平民の違いとか、前回のツアーで演出家が愚かにも除外してしまった部分がすべて復活!みんながキラキラ輝いていて、花組の「仮面のロマネスク」として完成していた。

スパークリング・ショー
「EXCITER!!2017

作・演出:藤井大介
作曲・編曲:青木朝子
作曲・編曲・録音音楽指揮:手島恭子
録音音楽指揮:大谷木靖
振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、平澤智
装置:新宮有紀
衣装:任田幾英
照明:湯田史人
音響:宮廻みさよ
小道具:福井良安
歌唱指導:彩華千鶴
演出助手:樫畑亜依子
衣装補:加藤真美
舞台進行:政村雄祐

一方、ショーは「EXCITER!!」の再演。
主題歌は血沸き肉躍りますな、これ[るんるん]
客席も一緒に踊れるように作ってくれたらもっといいように思う。私もやりたーい!
(あ、それは齋藤先生か…)
しばらく再演がなかったが、そか「EXCITER!!」は、花男じゃない(他組出身)トップが花男になる儀式なんだ!(チェンジボックスに入って…?)
で、五峰さん(五峰亜季いろいろ微妙で面白かった。全身ピンクの妖しいデザイナー役にもなっちゃって。
東京でサヨナラ公演が始まっている元花組生まぁくんとみりおんコンビが初めて組んだのが、この場面だったな~と懐かしく感じ、そういえばきらりんが銀橋から落ちたよな…とか、まあいろいろ思い出した。
Mr.YOUの場面は、RIO-BOYになる。
場所は、RIOにちなんでか、リオ・デジャネイロ。ここに、マリンズJrカンパニーがあるらしい。社長は、まりんさん(悠真倫)の三男、Mr.REI(柚香)。室内に、まりんさんとMr.SO(壮一帆)のでかい写真が飾られていて…ここまでやるか!と思った。
チェンジボックスには、ブラジルの歌姫、羽立光来。でも変身後が五峰さんなのは、それ、いいのかしら[exclamation&question]
(すみません、すみません)
ハバナのダンスシーンは、ストーリー的な雰囲気が強まった。
ここで、最後にナイフを渡され、そこから普通のダンスシーンになる…という難度の高い部分を任された瀬戸が、さりげなく一瞬でナイフを隠して踊りはじめたカッコよさに感動。
あと客席降りも盛り上がった。
ため息ソンク゛を客席でやるってのは、ナイスアイディアですね[キスマーク]
釣られた皆さん、ぜひ次は、大劇場へ!


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宝塚歌劇花組東京特別公演「MY HERO」観劇 [┣宝塚観劇]

アクションステージ
「MY HERO」

作・演出:齋藤吉正
作曲・編曲:手島恭子
振付:若央りさ、港ゆりか
擬闘:清家三彦
装置:稲生英介
衣装:加藤真美
照明:佐渡孝治
音響:大坪正仁
小道具:三好佑磨
映像:酒井謙次
映像デザイン:佐川明日香
歌唱指導:HANNA BUNYA
演出補:鈴木圭
舞台進行:荒川陽平
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:井場睦之
制作補:恵見和弘

ACT.jpg

いつにも増して迫力の大看板…[exclamation×2]

大阪公演に先駆けて東京公演が実施されたため、早くもMY楽を迎えてしまった私としては、どこまで書いていいんだろう?と悩むことしきり[あせあせ(飛び散る汗)]ネタバレしてしまっては申し訳ないが、早く書かないと小さなとこは忘れてしまいそう…[もうやだ~(悲しい顔)]

さて、北翔海莉主演の「風の次郎吉」は、2年前かな[exclamation&question]なんで花組ばっか、この手の作品を上演するのかな、齋藤先生[爆弾]
とても楽しい舞台だったことに異論はないが、こういうノリの作品を連続で花組にかけること自体、どうなん[exclamation&question]と思ってしまった。星組のためには、重厚な悲劇を書いているだけに。
作品が楽しいにもかかわらず、そう思ってしまうのは、こちらで、落語家の古今亭文菊さんの枕を聞いた時に、感じることがあったからかも。この楽しさは、たぶん、落語のような、情景描写的な面白さだからなんだろうな…という。
俳優というものは、たとえば、落語に登場する心中をしたがる遊女について、「この人にとって死はどういう概念なのでしょうか[exclamation&question]」と本気で質問してしまうタイプの人間なので、キャラだったり記号だったりとして舞台に立つのは、本来、苦しいものなのだ。
一方で、かつての花組(かなり昔)が、大好きなショーの前に、一時間半、「芝居」という難行苦行をこなさなきゃいけないんだよね…的空気を纏っていたことも、事実としてある。「お芝居[exclamation&question]よくわからない[あせあせ(飛び散る汗)]ショーは大好き[黒ハート]」な人々が多かったのかな。
もしかして、齋藤先生は、今の花組生も同じだって思い込んでいるの[exclamation&question]たしかに花組生はノリがいいし、今でもショーが大好きだけど、今はちゃんと芝居の面白さもわかっているのに。
最下級生まで常に舞台に立っていて、台詞ももらえる作品は貴重だし、ノリのいい作品は組子も大好きだろうけど、花組の芝居をちゃんと観たいと思っている観客は無視なの[exclamation&question]と、悲しくなる。前作は、「鼠小僧次郎吉」や「遠山の金さん」を下敷きにしていた分、まだストーリー性に問題はなかったが、今回は、オリジナルだけに、かなりイタくて、つらい出来だった。私のような人間には。(根が暗いんでしょうかね。)

(たまたまチケットが取れて6回観てしまったために、あちこちの綻びに気づいた、ということはあるかもしれない…)

要は石田先生的…というか、(石田先生、スミマセン[あせあせ(飛び散る汗)]老人、病気、障碍者の扱い方が雑[爆弾]というか、愛情を持って描けば理解してもらえるだろう的甘さ[爆弾]というか。
観客の一人として言わせてもらえば、自分に関係のないところはスルーできても、実生活でも関わってくる案件だと、ぴきっ[ちっ(怒った顔)]となってしまう。笑えないっていうか。
齋藤先生、毎日、客席にいたから、たぶん、すごくノリノリなんだろうけど、作品がそれなりに楽しく感じられる部分もあったのは、齋藤先生の脚本じゃなくて、生徒の頑張りが救ったんだよ、勘違いしないでね[むかっ(怒り)]

特に、齋藤先生の書く日本語がひど過ぎて、そのたびに現実に引き戻された。
あまりにひどいので、メモして晒してやろうと思ったんだけど、私のボールペンが齋藤先生のファンらしく、途中、書けなくなってしまった。それともう一つ、たそ(天真みちる)のセリフが上手過ぎて、途中から、ヘン!と気づくのだけど、前部分をメモしてなかったので、わからなくなった箇所があった。
ほんと助けられてるよね、いろんな人とかモノに。人徳[exclamation&question]

では、私のボールペンが生きていた部分だけ、書いておきますね。

「この補填はしっかり償ってもらうからな」⇒意味不明
「媚薬の如しかぐわしさ」⇒「如し」では文が終わってしまうので、「如き」が正しいですね。
「マスクJには借りがあるんだよ」⇒前後の文脈から、「貸しがある」と思われる。
「ハルは誇りをもってスーツアクターを演じていたのよ」⇒これでは、スーツアクターというキャラクターを演じることになってしまう。前後の文脈から、「誇りをもってスーツアクターをやっていたのよ」かな。
「斜に気取るところが嫌なんだよ」⇒斜に構えるって言いたいのかな、意味不明
「君に顔見せできない」⇒顔向けだよね…それともマスクJだから、わざとかしら。
「貴様の仕業と確証した」⇒意味不明。確証が見つかったのかな…
「ハルが共演者に恨みを買われていたなんて」⇒買っていたなんて…だよね…まさか…尊敬語[exclamation&question]

変な日本語ではないけど、別々の女性に「お前といると明日に希望が持てる」「お前といると勇気がわくんだ」って言う主人公、どうかと思うんですけどね…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

出演者陣は、大活躍。後日、ネタバレも含めて、出演陣への絶賛記事を書きたいと思います[黒ハート]


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「グランドホテル」感想 その2 [┣宝塚観劇]

長い一日でした[ダッシュ(走り出すさま)]

2年半ぶりに退団フルコースをやってきました。

今回は、会なし娘役さんだったけど、千秋楽が2回公演だったので、トップさん退団公演より体力的にはきつかったかも[exclamation&question]

雨の退団って、ほんと大変。なのに、千秋楽って天気悪いことが多いよね…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

以下、「グランドホテル」の感想「その2」に行きます。「その1」はこちです。3/1までの主な配役感想を書いています。

では、役替りメンバーの感想と、その他の出演者感想行きます。

朝美絢(エリック・リトナウアー)…本役はエリックの方なのかな、ポスターにもあるし。朝美のエリックは、サザーランド版の藤岡正明エリックにもつながるような、時代とホテルでの立場がすごく伝わってくるエリックだった。本当は、少しも早く病院に駆けつけたい、でも、それはできない…それだけに、子どもが生まれた場面の彼の一挙手一投足表情声、すべてに、「希望」と名付けていいなにものかを感じた。月組らしい芝居の子だなーと思った。
雪組に行っても、そんな緻密な芝居心をなくさないでほしいと思う。

暁千星(ラファエラ・オッタニオ)…こちらは、ラファエラが本役ということになるのか。しかし…最初は、女性の役に見えなかった。私だけかと思ったら、幕間などで、「あの人、男だよね」とあちこちで語っている人がいたから、同じような感想を持った人はけっこういたらしい。もちろん、どうやらこの人は、グルーシンスカヤを愛しているらしいということから、性別を判断した人も多かっただろうとは思うが。
といえば、つい数年前までは、声も高い普通の女の子っぽい人だったのに、どうしたんだろう[exclamation&question]男にしか思えない、あの台詞声…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
いや、男役としては、こうでなきゃ[exclamation]というところですが。
でも、千秋楽付近で、がーっと変わった。女に見えた、ちゃんと[exclamation×2]もちろん、初日からできているに越したことはないが、これだけできれば十分だというくらい…[ぴかぴか(新しい)]そうなると、俄然歌唱力が生きてくる[ひらめき]「グランドホテル」で、さらにスターとして前進したように思う。

早乙女わかば(フラムシェン)…本来のフラムシェンらしいキャラクターを好演。私は、好きだったな[黒ハート]おバカで蓮っ葉で、プライジングに付け入られる隙があって、でも、きっと善人だろうと思えるフラムシェン。彼女なら、オットーを捨てたりしないだろう、と思えるから。
「遅れてるの、アレが…」のセリフとか、フラムシェンらしくて見事だったけど、宝塚の娘役として、どうなのだろう…[あせあせ(飛び散る汗)]と思わなくもない。少なくともヒロイン道を行く娘役の演技ではない気はする。
でも、愛する同期、珠城りょうのお披露目のために、敢えて泥をかぶった男気なら、拍手を送りたい。

夏美よう(ドクター)…存在感が凄い。擬人化されたグランドホテル自身みたいな感じがする。またまた代表作[exclamation×2]という感じでした。

憧花ゆりの(盲目の伯爵夫人)…彼女の存在については、解説役のドクターは語らない。いつも片手に花を持ってジゴロ(紫門ゆりや)と踊っているが、本当に存在するのかどうかも、わからない。
本当は死神というか死の象徴なのかもしれない。
初演からそんなイメージがあったので、突然グルーシンスカヤが、死のダンサーとして、男爵と踊り始めたのには驚いた。この伯爵夫人の存在と、トップコンビの死の舞踏をうまく結びつけることができたら、今回の版をもっと評価できたかもしれない。

綾月せり(サンダー)&光月るう(ウイット)…ベルリンの興行主とグルーシンスカヤのマネージャー。サンダーは、ハンガリー訛りが酷いという設定。田舎のおっさんみたいなキャラクターが立っている。ウイットは、グルーシンスカヤの気まぐれに右往左往しながらも、決して彼女を見捨てないやさしい人物。でも力はない。作品の背景をその存在で見事に説明してくれる、すてきな二人でした。

宇月颯(運転手)…胡散臭いが全身からセクシーさが漂ってきてヤバイ[揺れるハート]男爵とのアヤシイ関係を妄想してしまう腐女子多数(ゴメンナサイ)[あせあせ(飛び散る汗)]ステキ以外の言葉が浮かびません…[黒ハート]

千海華蘭(ジミーA)&夢奈瑠音(ジミーB)…かの名曲、「MAYBE MY BABY」をカットされてしまい、その前後のフラムシェンとのやり取りもカットだったため、ホテル内のエンターテイナーとしての二人の存在が薄くなってしまって寂しかった。
掃除婦、マダム・ピーピー(夏月都)との三人が、エリックの息子が生まれた場面で見せる芝居に、こんな暗い朝、それでも無限に広がる希望が見えて、救いになったことは、書いておきたい。

輝月ゆうま(支配人)…いかにも偉そうな支配人という雰囲気がたまらない。そのみすぼらしい身なりだけでオットーを宿泊させない[exclamation]と強硬な態度を取ったり、男爵に言われると前言を翻したり、一癖も二癖もありそうな人物を、今回も的確に見せてくれた。
エリックへの高圧的な態度とかを、もっと観てみたかったな[わーい(嬉しい顔)]

そして、いつもセクシーに綺麗な足を組んでいた、電話交換手の娘役さんたち(玲実くれあ・白雪さち花・晴音アキ・叶羽時・麗泉里・美園さくら)に、ブラボー[ぴかぴか(新しい)]


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宝塚星組大劇場公演 [┣宝塚観劇]

「大空ゆうひRhythmic Walk」の初日感想は、「COUNTUP YUHI」ブログの方に移動しています。こちらです。

さて、大劇場公演「スカーレット・ピンパーネル」を観劇してきました。

スカピン大劇場.jpg


劇場ロビーの花は、公演をイメージしたものでしょうか。

また、1F席後方扉前で、ジンジャーワインを販売中。

スカピンドリンク.jpg

この「ストーンズ ジンジャーワイン」は、1740年にロンドンで誕生した、ラベルにロンドン市の紋章をつけることを許された由緒正しいお酒なんだとか。白ワインに乾燥させた生姜の根を合わせてオーク樽で熟成させたもの。ワイン×ジンジャーなので、ロックでもそんなに強くないですよ。

では、例によって箇条書きで公演感想を書きたいと思います。

  • 過去の公演とは、だいぶ趣が変わった気がする[ひらめき]
  • 梅芸公演を観ているので、ギロチンで首が落ちない演出は、やはり安心して子どもでも観られる宝塚の良さだなーと改めて実感[ぴかぴか(新しい)]
  • 冒頭の銀橋場面、「妻子を亡くした汚いじじい」が一転、ハンサムな貴族になる「つかみ」部分は、お披露目のキラキラ感満載[ぴかぴか(新しい)]で、“スカピン”は、お披露目公演に相応しい演目だな~[ひらめき]と、しみじみ感じ入った。また、紅ゆずるの、まずルックスだけで周囲を納得させてしまう魅力は、やはりこのシーンは欠かせないと思った[黒ハート]
  • 綺咲愛里のマルグリットは、遠野あすかや蒼乃夕妃が、大輪の花の大女優っぽかったのに比べると、どこか新進スター風[かわいい]トップスターまで駆け上がって来たような初々しさがある。その分、歌声は圧倒的とは言えないが、昔から見ている私からしたら、うまくなったし、声出るようになったよね…と母心[わーい(嬉しい顔)]
  • 七海ひろきのロベスピエールは、本人の役作りがどうだったかは知らないが、観た感じ、超イケメンなので、シトワイエンヌが群がり、その結果、シトワイヤンもその周囲に集って彼を褒めたたえているだけで、彼の思想に共感した人はいなかったのでは?と思わせる「顔だけ男」[あせあせ(飛び散る汗)](笑)。でも、本人は、自分がハンサムである自覚がない。自分が思う自分と、他人が思う自分の間にものすごくギャップのある人で、だから友だちもいない。唯一、思想を共有しているのは、美形のショーヴランだけだった(いい男は鏡の中にいるので、慣れている)、みたいな想像をしてしまった[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
  • ロベスピエールの新曲は、梅芸版では、めちゃくちゃ大曲だったが、宝塚版としてコンパクトにまとまっていて、革命の歪みとか、この先のナポレオンの台頭まで思い起こせるようなナンバーになっていた[ぴかぴか(新しい)]七海の歌唱は、これまでの「がっかりする」レベルから、「よし、頑張れ」と応援できるレベルまで上がった[グッド(上向き矢印)]と思う。声量も本人比で落ちないし。さらなる奮起を期待したい。
  • 衣装のトンチキぶりが、さらにアップしていて、口あんぐり[爆弾]しどりゅーは、真田丸かっ[むかっ(怒り)](しーらんも同じような鹿の角帽子だったけど、衣装がより赤備えだったのは、しどりゅー[どんっ(衝撃)]
  • 前回の月組版で、思わず拍手を切ってしまうほどの圧倒的歌唱は、霧矢大夢の「目の前の君」だったが、今回は、もちろん礼真琴の「鷹のように」[ひらめき]素晴らしかった。どの曲もよかったけど、この曲は、一番アガった[グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)]
  • 壱城あずさ天寿光希は、トップお披露目のを終始サポートし、助演男優賞ものの活躍。瀬央ゆりあが、アルマン役抜擢に応え、ハンサムな好青年を印象的に演じた[黒ハート]
  • その恋人役、マリーに有沙瞳。雪組で特徴的な役を演じ続け、イロモノ的になってきたのをリセットし、準ヒロイン的な役にピッタリはまっていた。実力のある娘役に、この組替えはプラスに働いたようだ[わーい(嬉しい顔)]
  • 十碧れいや麻央侑希は、ピンパーネル団の一員だが、少々割を食った感じがある。もっと押し出しを強くしても大丈夫、というか、ここが正念場な気がする。紫藤りゅう、天華えま、綾凰華の三人はフレッシュな魅力を振りまいていた[ぴかぴか(新しい)]
  • 英真なおきのプリンス・オブ・ウェールズは、組の管理職としての居方と専科の居方の違いを感じた。自由に舞台を泳ぎ回っている英真が素敵過ぎる。ひとつの場面に全神経を集中し、本気でさらうつもりでいる。専科さんは、ひとつひとつの舞台が真剣勝負なんだなーと実感。その裏側で、楽屋ではやっぱり面倒見のいい元組長なんだろうなーと思えるところも英真の魅力だな[るんるん]
  • 星組は初演の「エリザベート」など、海外ミュージカルを宝塚歌劇にしてしまう独自のカラーがあったのだが、そういう星組が戻ってきたな~[るんるん]と思った。ビジュアル頼みの派手な舞台のようでいて、実は、細かい心理を繋ぎ合わせて、ミュージカルらしい綻びを丁寧に繕っていて心地いい[黒ハート]
  • 新生星組、期待しています[exclamation×2]

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宝塚歌劇月組東京公演「グランドホテル」観劇 [┣宝塚観劇]

ザ・ミュージカル
グランドホテル

脚本:ルーサー・デイヴィス
作曲・作詞:ロバート・ライト、ジョージ・フォレスト
追加作曲・作詞:モーリー・イェストン
翻訳:小田島雄志
訳詞:岩谷時子
オリジナル演出・振付・特別監修:トミー・チューン
演出:岡田敬二、生田大和
音楽監督:吉崎憲治
編曲:太田健、植田浩徳
音楽指揮:上垣聡
振付:御織ゆみ乃
オリジナル装置デザイン:トニー・ウォルトン
装置:大橋泰弘
衣装:任田幾英、加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:下農直幸
歌唱指導:やまぐちあきこ
演出助手:竹田悠一郎
装置補:稲生英介
舞台進行:久松万奈美

珠城りょうのトップお披露目公演として、「グランドホテル」が23年ぶりに蘇った。

23年前、涼風真世のさよなら公演も私は観ている。当時は、今ほど宝塚のためにお金が使える状況じゃなかったので、たぶん、2回観劇した程度だったと思うが、観劇してみると隅々まで強烈に覚えていた。
(この公演には、当時研2になったばかりの大空祐飛(現・ゆうひ)も出演していたはずだが、もちろん、当時はその姿を目に留めることはなかった。)
なので、大劇場公演を観た時は、カットされてしまったジミーズの場面などをうじうじと残念がったりしていたのだが、東京へ来て、ようやく積極的に公演を楽しめるようになった。

前回公演との大きな違いは、前回は、オットーとフラムシェンをトップコンビが演じていたのに対し、今回は、男爵フェリックスとバレリーナのグルーシンスカヤをトップコンビが演じていることだろう。
そもそも古い映画版の「グランドホテル」では、バレリーナがグレタ・ガルボ、男爵がジョン・バリモア、フラムシェンがジョーン・クロフォード、オットーがジョンの兄でもあるライオネル・バリモアで、この辺りまでがスター俳優だったようなので、まあ、どちらを中心に描いても成り立つということなのだろう。
ちなみに、昨年上演されたサザーランド版の「グランドホテル」では、オットー、男爵、グルーシンスカヤの3名がメインキャストのような扱いだったと思う。

配役が発表された時、コソ泥やって殺される役でお披露目ってどうなんだろう[exclamation&question]と、ちょっと首を傾げてしまったのだが、珠城りょうの魅力は、まさに、ちょっとダメな男を演じる時に最大限生きるのだ、ということに気づかされたお披露目公演だった。
お披露目ということで、冒頭とエンディングにそれらしい歌とダンスの場面が入ったが、ドラマ的にはなくてもよかったかな、とは思った。特にエンディングは、とてもステキな振付で、トップコンビのキラキラ感サイコー[ぴかぴか(新しい)]ではあるものの、やはり蛇足感は否めなかった。ま、それだけ、ミュージカルとしての完成度の高い作品なんでしょうね。

以下、出演者感想です。

珠城りょう(フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵)…かなり金策に追い詰められている貧乏貴族。ホテル住まいだが、7ヶ月分宿泊費を滞納しているので、普通ならホームレスと言っていい。ホテルに出入りする運転手(宇月颯)の助言に従ってホテルの中でコソ泥を働いている。どうやら、そもそもは、運転手の“ボス”に金を借りて株に投資した挙句、借金がかさんでいるらしい。典型的なダメ男。でも女性や困っている人には優しい。腐っても貴族なのだろう。
そんな男爵が、突然恋に落ちる。相手は、高価なネックレスを狙って忍び込んだ部屋の住人、バレリーナのエリザヴェッタ・グルーシンスカヤ(愛希れいか)。部屋に忍び込んでいたことを咎められ、咄嗟についた嘘から、本当の恋が始まる。しかし、その恋は成就することなく、男爵は、タイピストのフラムシェン(早乙女わかば/海乃美月)を実業家・プライジング(華形ひかる)の魔の手から救うために、命を落としてしまう。
私の記憶の中の男爵、久世星佳は、陰のある男で、それが魅力だった。珠城の男爵は、一片の影も持たない男の魅力があった。どんな悲劇的な状況にあっても、自棄にならず、みっともない態度を見せないようにしている。その、「自分を押し殺して演じる貴族らしさ」珠城のニンに合う。それこそがトップの矜持であり、若くして珠城をトップに押し上げたものだろう、と思えるからだ。
経験のあるトップ娘役の愛希に対しては、その経験を尊重し、対等な相手役として、自由に演じさせている印象。それも珠城の懐の大きさを感じさせる。珠城愛希が踊る場面は、そのダイナミックさ、大きさにウットリ。このコンビの大きな売りになるだろう。
それにしても、どの衣装も似合って、本物の貴族にしか見えない[exclamation×2]珠さまと呼ばれる所以ですな[るんるん]

愛希れいか(エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ)…5回目の引退興行中のバレリーナ。かつてロシア帝国のセルゲイ大公の恋人だった。おそらくは、実在のバレリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤがモデル。だとしたら、60歳過ぎても踊っていたり、99歳の長寿を誇ったり、普通ではないパワフルな人生を送っていた辺り、愛希の役作りそのものの人生ということになる。
実年齢的に愛希の方が年下だし、学年も愛希珠城より一期下。しかし、トップ娘役5年目のキャリアが、男爵よりだいぶ年上のバレリーナという設定を嘘ではないものにする。
そして、「年上だけど可愛い」ということを見事に体現する、突拍子もない演技[exclamation]な、なるほど[exclamation×2]と深く納得してしまった。
男爵と一夜を過ごしたグルーシンスカヤは、見事に若返っている。…ことになっている。サザーランド版でもそういう設定だった。しかし、悲しいかな、実際にグルーシンスカヤを演じている女優の実年齢は、そう簡単に覆らない。表情と演技力で、そういうことね、とこちらが納得することになる。しかし、宝塚版のグルーシンスカヤは、本当に若返るのだ。実際に若い愛希だからこそ、このマジックが成立する。そして、それはとても宝塚的だった。
さらに、世界的なプリマバレリーナという設定がピッタリで、体重を感じさせない立ち居振舞いが、本当に見事[ぴかぴか(新しい)]

美弥るりか(オットー・クリンゲライン)…病に倒れ、死を待っている簿記係。人生の最後に、グランドホテルというベルリン最大のホテルに宿泊して「人生を見たい」と願っている。
美弥については、小学生の頃、涼風真世の大ファンで、「グランドホテル」の大千秋楽の日、ファンクラブの一員としてガードをしていた、という過去があったらしい。かつて大ファンだった人がさよなら公演で演じた役を、2番手スターに昇格して演じる…というのは、まるでシンデレラストーリーだ。
大ファンだったと言うだけあって、当時の涼風を彷彿とさせるオットーだったが、もちろん、美弥の個性でしっかりと再構築している。人間アニメ演技と小池先生に言わしめた涼風の華やかさは受け継ぎながら、新生月組らしい緻密な芝居でオットーという人物を見せてくれていた。
また、男爵と一緒に踊ったチャールストンの場面の身の軽さ、ダンスの鮮やかさは、この舞台の大きな魅力だと思う。

朝美絢(ラファエラ・オッタニオ)…本役はエリックなのかな、ポスターにもあるし。東京公演は、ラファエラ役からスタート。
初演では少しごまかしのあった、ラファエラのセクシュアリティに鋭く切り込んだ、21世紀ならではのラファエラという感じ。
初演当時(1993年)、宝塚歌劇団で上演する作品は、今に比べると色々と制約があった。同性愛的色彩も当時はアウトだった。なので、天海祐希は、「親友への同情心に熱い女性」という難しい役どころを2番手時代最後の公演で演じなければならなかった。
今回のバージョンでは、プログラムにも「グルーシンスカヤへの秘めた想いが溢れるラファエラ」という記述がある。朝美のラファエラは、明確にその思いが恋であることを表現していて、それも、いつか必ず彼女を手に入れてみせる、という熱い思いが伝わってくるような激しいラファエラ。しかも、あの独特のオカッパ頭が、朝美の美貌に不思議な妖しさを付加していて、とても魅力的だった。

暁千星(エリック・リトナウアー)…こちらは、ポスターによれば、本役がラファエラなのだろうが、東京はエリックからスタート。それにしても、公演ごとにどんどん歌が上手くなる。「THE MERRY WIDOW」の時、甲高い声しか出せなかったなんて、誰が信じるだろう[exclamation&question]「あの子は抜擢には早すぎる」と周囲に言いまくった私だって信じられない。
のエリックを観ていると、今、ミュージカルを観ている、という気持ちになる。そもそも宝塚版のエリックは、初演が汐風幸だったこともあって、演技の役というイメージが強いのだが、は、一曲のソロで、すべてをさらっていく。実に気持ちのいい歌唱でした。その分、それ以外のシーンでは、居るだけ、動くだけ、の印象が強い。
いつかは月組を背負う人になるのだろうが、そういうところが、月組らしくない…かも。ま、成長度がハンパない人なので、次の公演あたりで芝居も開眼してくれるかも、と期待しておく。

海乃美月(フラムシェン)…東京公演では、フラムシェンの電話のセリフが大きく変わった。「生理が遅れている=妊娠したかもしれない」ということが、大劇場公演のセリフでは分かりにくかったため、変更したのだと思う。しかし、「遅れてるの、アレが」とは、ずいぶん大胆に改変したな…[あせあせ(飛び散る汗)]これも21世紀の「グランドホテル」らしさかもしれない。
フラムシェン自身、本来、そういうあけすけな女性なのだろう。前回公演では、トップ娘役が演じるということで、ある程度ヒロインらしさが必要だったが。
海乃は、彼女の娘役としての個性が、「刹那的で楽天的」の真反対にいるので、宝塚版の限定された背景下のフラムシェンには、あまり似合わない。が、幸い、私は、サザーランド版で、フラムシェンの家庭事情(母親がいないとか、裕福ではないとか)を知っているので、海乃の堅実さもまた、フラムシェンの側面かもしれない、と思っている。
しかし…ミニスカートから覗く太腿が…スレンダーな海乃にしてはちょっと太めで…初演の麻乃の努力を知るだけに、ちょっと残念[バッド(下向き矢印)]いや、さすがに38キロはやり過ぎだとは思いますが…[爆弾]

華形ひかる(プライジング)…ミュージカルだし、オジサンの役だし、華形が演じる必要あるのかな[exclamation&question]とは、思うものの、やはり、華形が大劇場に出演してくれたことは嬉しいし、演じてみれば、華形らしいプライジングで、21世紀版の「グランドホテル」に必要なスターだったな、と思っている。
初演の箙かおるは、まさに怪物、といった感じで、存在そのもので「フラムシェン逃げてー」と思ったし、男爵、敵うわけないと思ったし、「そりゃ、逮捕されるわー」と思ったし、深く考えずに存在だけでヤバイものと認識していた。そういう怪物感のない二枚目の華形は、胴布団を着用し、初老の斜陽経営者を形から地道に作っている。
彼の事業が今危機に瀕していること、あまりのプレッシャーで彼が普段の彼ではなくなっていること、フラムシェンの若さや軽薄さに対してどす黒い気持ちが沸く下地は十分に感じられた。もちろん、窮地に陥った時にこそ、その人の地が出るのだろうとは思うが、男爵を泊まらせ続けた支配人が、思わず男爵を「強盗」と呼ぶほどには、プライジングさん、支配人の心を溶かしていたんだなぁ~と思う。
それが、華形の人間力と相俟って、作品のアクセントになっていた。
正義の味方とか悪役とか、このミュージカルはそんなんじゃないんだよね、と。

別配役、その他の役の感想は、また改めて書きます。


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雪組のNEW WAVE! [┣宝塚観劇]

雪組のバウ・ショーケース「NEW WAVE!」を観劇してきました!
うわ、知ってる生徒、少ない!最上級生が95期なんて、花組から「NEW WAVE!」を観てきたので、隔世の感がある。
とはいえ、「NEW WAVE!」的には、紆余曲折を経て、原点に戻ったかな、という感じ。純粋に音楽を楽しめる構成になっていた。
主演の月城かなとと、永久輝せあは、まったく危なげない実力を発揮、今後、それぞれの組で、おおいに活躍するだろうな、と感じた。
そして、上級生枠の愛すみれ、叶ゆうりの歌声が、本当に素晴らしかった。
若手の娘役ちゃんたち、みんな可愛くて、今後が楽しみです!
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東京宝塚劇場花組新人公演(金色の砂漠)ミニ感想 [┣宝塚観劇]

花組東京新人公演「金色の砂漠」を観劇した。
上田久美子先生の大劇場作品では、前回の「星逢一夜」も観劇しているが、その時は、上田先生が演出したらしい。
今回は、まったく別作品を観たような印象が強かった。
新人公演担当は、町田菜花先生。以前担当した「こうもり」も観劇したが、あの時のような大胆改編はなかった印象。もっとも、上田先生のアイデアか町田先生のアイデアかは不明だが、子ども時代のギイとタルハーミネは本役が演じることなく構成されていた。これに関しては、子ども時代のシーンは意外と長いので、本公演では本役が演じないとかなりブーイングを浴びそうだが、新公で分けるというのは、ありだと思った。
本公演は、壮大な叙事詩の一部を切り取ったような、物語が歴史の中に埋没するように流れて行く感じが心地いいのだが、新人公演では、作品の世界観的な部分を排除し、新人たちの努力をストレートに観客に訴える形式をとったのかな、という印象。思った以上にキャスト個々への当て書きなので、世界観を壊さないように演じるとしたら、完コピしかなく、そうなったら本役の劣化版にしかならないわけだから、それは新人公演としてもったいない。
町田先生は自分への評価を捨てて、生徒が輝く道を選んだのかな。
とはいえ、そうであれば、町田先生の仕事は「演技指導」に特化されるわけで、そういう意味では、もっとすべき仕事はあったのではないか、という気はしている。経験の少ない生徒たちだからこそ。難しい芝居だから、本役に近いレベルに引き上げることは、本当に大変だとは思うけれども。
第一の感想は、本役さんってすごいんだなー[あせあせ(飛び散る汗)]でした。当て書き+毎日演じて足かけ2年ということはあるにせよ。

では、以下は、出演者感想です。
ギィ(本役=明日海りお)
綺城ひか理…暗い情念みたいなものを内に秘めているというよりは、自分に何かがある、ということを忘れずに成長した青年という感じ。歌は、今回はちょっと残念だったが、中盤から後半にかけて演技で魅せた。
華優希…幼少時代を演じたは、綺城の少年時代、ということがすんなり理解できる繋げ方で、タルハーミネとの絆をしっかりとバトンタッチしてくれていた。娘役なのに、男の子の台詞を低音域も使って余すところなく演じている。この人は、ポイントとなる台詞は立てて話すことができる。貴重な演者だと感じた。すべての場面が素晴らしかったです[ぴかぴか(新しい)]

タルハーミネ(本役=花乃まりあ)
城妃美伶…華のある美しさ。ああ、王女だな~とわかる見た目で、まず第一印象をクリア。ただ、タルハーミネが花乃という特殊な娘役に当て書きされているため、どうしても優しさが際立ってしまうように感じた。これは、しょうがないかな。タルハーミネのような役を演じる抽斗って、本来娘役に必要とも思えないから。いろいろな部分で、旬の娘役の美しさを感じたので、今回は、それでよしとしたい。
音くり寿…本役は罪のないわがまま王女を演じているが、同じわがままでも長女のそれは少し違う。その違いをちゃんと組み込んだわがままっぷりが見事でした[ぴかぴか(新しい)]子役としての演技の多彩さは、宝塚100年の歴史の中でも出色かもしれない。本役は、寝室で突っ伏して泣く場面で、その姿勢が子供らしいなぁ~と、仕草ひとつにも気を配っていることに感動したが、そんなことしなくても、子どもにしか見えない天才子役なのでした[exclamation]大健闘[exclamation×2]
子役コンビは、娘役の枠を超えて、この作品に取り組み、大殊勲賞だったと思います[ひらめき]

ジャー(本役=芹香斗亜)
亜蓮冬馬…本役とは全く違う役作りだったが、まず、冒頭からキラッキラのスター性を見せ、そこから、語り部としてしっかりとした口跡を見せ、実力派であることを印象づけた。その一方で、芹香は、この作品のカラーを背負っていると感じるのだが、亜蓮は、この新人公演のカラーにはなっていない。それは、あえて、なのか、力足らずだったのか、ちょっとわからなかった。ギィの物語とジャーの物語が両輪になっていないと、本公演と同じ感動には至らないのかな…そんなことを考えた。でも、ピンで見るなら、亜蓮のジャーも好きです。

ピピ(本役=英真なおき)
優波慧…子役二人と、大人になったギィとタルハーミネを繋ぐ接着剤の役割を、真摯に務めていた。こういう役柄の方が、ニンに合っているのかもしれない。子役のギィがピピから聞かされる「お前は自分に価値があることを知っていて、それを相手にも認めさせようとしている」みたいな台詞が、城に戻ってきた大人のギィと繋がっているように感じるのは、優波の尽力もあるような気がしている。

ナルギス(本役=高翔みず希)
矢吹世奈普通にうまいなーと思った。子役を娘役が演じているので、トップの男役が演じるのと同じように打擲するのでは、観客が受ける印象は違う。その辺の打ち方&受け方が本役とは違うバランスになっていて、この辺は演出を含めて感心した。あと、
ギィとタルハーミネを追いつめた場面の勝ち誇った芝居にもカタルシスを感じた。

ラクメ(本役=花野じゅりあ)
乙羽映見乙羽の長身と低くて深い声が生きた。主役側に暗い情念がない分、ラクメの方が情念を持って生きている感じ。魅力的な砂漠の女盗賊でした[黒ハート]

プリー(本役=瀬戸かずや)
聖乃あすか可愛かった[黒ハート]新人公演では、このプリーと第三王女と求婚者のトリオが一番うまくいくトリオに見えた。それだけ邪気も悪意もないプリーに見えたので、帰国してから王女に再会する場面も、戦闘シーンながら、どこかほっこりしてしまった。これくらい無邪気な方がいい役なのかも。

ジャハンギール(本役=鳳月杏)
飛龍つかさ飛龍の場合、本公演で回想シーンのジャハンギール王を演じているので、実は、本役だったりする。飛龍のジャハンギールが年を重ねた姿が鳳月になる、といった体なので。そんな飛龍のジャハンギール王は、本公演で演じている若きジャハンギールのその後を見るようで、なるほど~という出来。まったく違和感はない。あとは、もうテクニック的な部分で、自分が芝居をしていないところでの居方、というか、視線の定め方、みたいな部分に気を付けるといいかも。王様だからキョロキョロしちゃ変だよね。とはいえ、娘に対して振り上げた剣をどうしていいかわからず荒れるところの勢いは、本役以上の迫力を感じた。

ビルマーヤ(本役=桜咲彩花)
朝月希和…本役があまりにも当て書きだったので、朝月は、本役を完コピしているのかな[exclamation&question]という役作り。持ち味が違うので、完コピはあまり有効な手段には見えなかった。あと、歌も今回は残念な出来だった。また、朝月だけのせいではないが、ジャーとビルマーヤとゴラーズさんの関係性が、優しさに満ち溢れながら、どこか一蓮托生の諦念を内包している本公とはかけ離れたものになってしまったのは、とても残念[バッド(下向き矢印)]この世界観を町田先生が理解できなかった感もあるが。

アムダリヤ(本役=仙名彩世)
春妃うらら…童顔にもかかわらず、この人は、高貴な役や誇りある役が似合うんだな…と思った。本役は、ちょっとエキセントリックなところが魅力的なキャラクターだったが、春妃は、正当で真っ当な王妃として、ジャハンギールに対峙していた。その高貴な美しさに圧倒された。

ザール(本役=水美舞斗)
紅羽真希…ラクメの弟、という出会いの場面は、強烈インパクトではなかったが、後半は、イスファンディアールとなったギィのよき右腕という印象。

テオドロス(本役=柚香光)
帆純まひろ…明るい髪色がよく似合う。鷹揚な大国の王子という風情が似合っていた。

その他、印象に残ったあれこれ。

ゴラーズさんのとこに、いくら最上級生だからって千幸あきを配したのは、いかがなものかと。ま、そのおかがで、本役さんの素晴らしさを再確認したわけだけど。天真みちるのゴラーズさんのセリフからは、風景が立ち上がる。鳥のためにエサを撒くゴラーズさん。窓が開けられなくて蒸し風呂で耐えるゴラーズさんが[ぴかぴか(新しい)]

茉玲さや那のシャラデハは、本役の音くり寿によく似た風貌だったが、大人っぽい優しさを内包している。求婚者ソナイル役の桜舞しおんの可愛らしさ、奴隷プリー役の聖乃の罪のなさと相俟って、なんか微笑ましくなってしまった。

出演者の皆さん、お疲れ様でした[exclamation×2]


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宝塚歌劇星組バウホール公演「燃ゆる風」観劇 [┣宝塚観劇]

バウ・戦国ロマン
「燃ゆる風―軍師・竹中半兵衛―」

作・演出:鈴木圭
作曲・編曲:吉田優子
振付:若央りさ、桜木涼介
殺陣:諸鍛冶裕太
装置:稲生英介
衣装:加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:福井良安
所作指導:花柳寿楽
歌唱指導:ちあきしん
映像:保坂裕之
舞台進行:政村雄祐
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
衣装協力:時代物工房 一助朋月

大河ドラマ「軍師・官兵衛」にあやかったのかな…と思われるタイトル。また、これは、個人的に思っていることなのだが、タイトルが『風』で終わる作品の半分くらいは意味もなく適当に“風”という字が当てられ、そういう作品に限って駄作である、というジンクスもあって、大変心配しつつの観劇だった。

結果、「燃ゆる風」の意味はわからなかったが、そして、もしかしたら、駄作かもしれない…という気はしたが、出演者のハマり具合がハンパなくて救われた、と思う。なんか、わからないが、すごかった[ひらめき]星組生が戦国武将そのものだった。中でも、特に96期生が、全員これまでのベストアクトだったんじゃないか…という出来だった。
穿った見方かもしれないが、3年間の謹慎に近い状態を過ごした鈴木圭先生は、初舞台から印象最悪のレッテルを貼られた96期生に、特に温かい目を向けたのかな…と思った。(かなり邪推[あせあせ(飛び散る汗)]

物語は、竹中半兵衛重治の36年という短い人生にスポットを当てているが、前半は、秀吉に仕官するまでの物語から、朝倉攻めでの敗走まで、そして後半は、松寿丸の一件と三木城攻めという流れ。この歴史上の事実の上に、妻の得月院が信長と正室・濃姫(帰蝶)の間に生まれた娘であったというフィクションをまじえてストーリーは展開していく。

初主演の七海ひろきは、時代劇等でおなじみの竹中半兵衛通り、数手先を読む冷静さと、熱い思いを胸に秘めたブレないキャラクターを的確に表現していた。初主演なのに気負うことなく、あくまでも爽やかに、沈着冷静に。女と見紛う美貌という説もある半兵衛は、美丈夫の七海にはピッタリの役どころかもしれない。
少しハスキーな七海の声が、理を説くと、なんか、そうかもしれない…と思ってしまう私は、声フェチです[黒ハート]

妻・いね(=得月院)を演じたのは、公演終了を以て組替えが決まっている真彩希帆。恋愛場面がなく、いきなり妻としてスタートするのは、若手の娘役には、かなりハードルが高いと思うが、半兵衛と信頼し合う妻である面と、自らの出生を知らない心許なさの両面を、余すところなく演じていて、見事だった。

そして、専科から参加した悠真倫が、秀吉役で大活躍[exclamation×2]
花組時代の悠真は、脇だから、自由に脇として光らせてもらいます[exclamation]みたいな、物語の本筋じゃないところを頑張ってる印象があった。本人の気持ちはわからないけど。
が、専科に行った頃から、もっといろいろな意味で自由になった気がする。組というピラミッドから離れたことで、主演に対して変に卑屈になったり、勝手に引いたりしないで、作品を良くするために、出るところは出る[ひらめき]芝居の出来る主演者なら、そんな悠真の演技を受けとめられる[exclamation](芝居が微妙な主演者の公演には、出なければいいだけの話。ここが、専科のフレキシブルなところ)
めいっぱい魅力的な秀吉で、目が離せなかった。決して三枚目にならず、かっこいいことから始まって、半兵衛が信長ではなく、秀吉の家臣になることを選ぶのもさもありなんという、他の誰にも出せない魅力が悠真から溢れていた。
若き日の秀吉ということで、老獪というよりは、バイタリティーに溢れ、信長のために戦い続ける武将なのだが、真摯で誠実な反面、将来の出世を予想させるキラッとした部分も見せる…ステレオタイプの秀吉ではないキャラクターで、かなり役作りは難しかったと思われる。が、悠真は、楽々クリアしているようで、秀吉が戦乱の世を楽しんだように、悠真も『燃ゆる風』の舞台を楽しんでいるように感じた。
半兵衛から、ついに三顧の礼を受け入れると告げられる場面では、少ないセリフの中で、いねを含む三人の心情が見事に表現された、素晴らしいシーンだった。

信長の家臣団の有名どころ、丹羽長秀(大輝真琴)と、柴田勝家(輝咲玲央)は、イメージ通りの好演。
信長の嫡男、信忠役の紫藤りゅうは、跡取り息子感満載で、軍団を率いて登場するシーンなど、インパクト大。明智光秀役の音咲いつきは、一声発した瞬間、ぶわっとオペラグラスを向けてしまうほどの美声。半兵衛の人生は、本能寺のだいぶ前に終わってしまうので、それほど大きな役ではないと思っていたら、一幕終わりなど、けっこう見せ場があり、印象に残った。超いい役を見事にものにしていた。朝水りょうは、濃姫の父、斎藤道三で一場面登場したが、美貌が際立ち、また堂々とした雰囲気が良かったと思う。
天華えまは、半兵衛の幼馴染キャラで、わかりやすくフラグが立って死んでしまうのだが、なんと1幕であっさり死んでしまったのには、驚いた。もう少し活躍するかな…と思っていたのだが…。松寿(官兵衛の息子)役の天彩峰里は、少年役を通しで演じたのだが、得意の歌を披露する場面もあったし、少年らしくしっかりと演じていた。荒木村重役の桃堂純も、おいしい役をしっかりとものにしていた。

そして、黒田官兵衛役の天寿光希。生真面目ゆえに荒木村重の乱のとばっちりを受けてしまうのだが、ああ、なんか、わかるなぁ~[ひらめき]という感じ。大河ドラマなどの影響を受けず、天寿らしい官兵衛になっていたと思う。
信長役は、わりとステレオタイプに描かれていたが、演じた麻央侑希は、見た目的にはかっこよく、でも、脳筋的なキャラに見えた。それでよかったのかどうかは、わからない。

で…濃姫役の音波みのりが、『鈴蘭』に引き続き、女神だった。星組には女神がいる…[ぴかぴか(新しい)]


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宝塚歌劇星組東京特別公演「オーム・シャンティ・オーム」観劇 [┣宝塚観劇]

マサラ・ミュージカル
「オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻~」

脚本・演出:小柳奈穂子
作曲・編曲:青木朝子
振付:御織ゆみ乃、AYAKO、KAZUMI-BOY
殺陣:栗原直樹
装置:二村周作
衣装:有村淳
照明:笠原俊幸
音響:大坪正仁
小道具:西川昌希
インド舞踊指導:野火杏子
歌唱指導:彩華千鶴
映像:奥秀太郎
演出助手:野口幸作
舞台進行:宮脇学
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ

新生星組のプレお披露目公演は、世界中で大ヒットしたインド映画を原作とした、名付けて“マサラ・ミュージカル”でした[るんるん]

原作映画は未見なので、改変部分とかはまったくわからない。
しかし、宝塚歌劇として、全然違和感なく、楽しむことができた。そういう意味で、マサラ・ミュージカルby小柳先生は成功[ぴかぴか(新しい)]だったと言っていいと思う。

第1幕と第2幕の間に30年の歳月が流れ、第1幕で命を落としたトップコンビは、第2幕では別の役で登場する。一方、第1幕で若々しく登場したその他の主なメンバーは、第2幕では年を重ねて登場する。
宝塚作品として、この辺は、斬新だな~と思う。
主役が1幕で死んでしまうとか、サブタイトルが「恋する輪廻」だから、生まれ変わるのね…と思うものの、大胆すぎる。死なない2番手は、2幕でオジサンになっちゃうし…[あせあせ(飛び散る汗)]

(だまっちは、デビュー作からしてそうだったよね…とかいう暗い過去は忘れるとして)

そもそも、インドでは、古来、生命は輪廻転生すると考えられてきた。その輪廻の輪を断ち切ることを解脱と言い、釈迦は解脱を目指して出家したのだとか。
それと、カースト制度(日本ではかなり誤解されている気もするし、私自身理解しているとは言い難いのだが…)があって、人は生まれながらに身分が決まっていたりする。
だから、オーム・ブラカーシュ・マキージャー(紅ゆずる)が、どんなにカッコよくてセンスがあっても、脇役俳優の息子である彼は、脇役俳優として生きていくことになる。親友のパップー(瀬央ゆりあ)が、芸名を変えろ[exclamation]と言うのも、たぶん、苗字を聞いただけで、どの身分に属する人間かが分かってしまうようなことがあるからじゃないかな…などと思った。

しかし、オームは非常に前向きで楽天的な性格。そして、夢もビッグ[exclamation]脇役というよりは、エキストラに近い役者なのに、ボリウッド映画の大スター、シャンティプリヤ(綺咲愛里)と恋に落ちる夢を諦めてない。そんなオームを、母親(美稀千種)も親友パップーも、なんか許して応援しているというのが、微笑ましくていい。
また、“死んだお父さん”役として、堂々写真出演をしているのが、夏美よう氏。これは、なかなか珍しいパターンじゃないだろうか。
ここ数年、夏美氏の息子役は不幸になる、という設定が多いように思うのだが、(たぶん始まりは、ヨン・ホゲ氏)オームもまた、写真だけの出演とはいえ、不幸を逃れることはできないのだった[爆弾]

オームの憧れの人、シャンティは、実は、野心的映画プロデューサーのムケーシュ(礼真琴)と秘密結婚していて、妊娠している。もう結婚を公表したい、というシャンティに対し、ムケーシュは彼女を呼び出して殺害しようとする。オームは、シャンティを救おうとして火の中に飛び込むが救うことはできなかった。
そして、絶望の中、映画スター、ラージェシュ・カプール(壱城あずさ)の車に轢かれて死んでしまう。
その日、カプールに息子が誕生した。
偶然にも、カプールは、同じ病院で死んだ可哀想な男と同じ名前を息子に付ける。

そして30年後、第2幕では、映画スターとなった、オーム・カプール()が、前世の記憶を取り戻し、母やパップーに再会する。
また、今や世界的なプロデューサーとなったムケーシュの罪を暴くため、オームの大ファンというサンディ(綺咲)に協力を頼む。そんなサンディは、シャンティにそっくり[あせあせ(飛び散る汗)]
第1幕で、街の大きな看板に映った大スターのシャンティに愛を訴えるオームという場面が何度も登場するのだが、第2幕では、その看板がオーム・カプールになっていて、サンディは看板の彼を眺めて愛を訴える。そんな一致点が微笑ましい。
作劇術ということもあるけれど、互いに焦がれる綺咲の芝居が本当に可愛くて…砂糖壺に飛び込んだような甘々な二人の雰囲気に、すっかりやられてしまった[黒ハート][黒ハート][黒ハート]

殺人や怨念が登場しつつも、あくまでもコメディの体を崩さない展開が面白く、歌やダンスが随所にあって、衣装もキラキラで、楽しい作品になった。
小柳先生、やっぱ、外さないわ~[るんるん]

新主演コンビは、シリアスにもファンタジーにも対応できる柔軟さが魅力。インドのコスチュームもよく似合って、キラキラのトップコンビ誕生[ぴかぴか(新しい)]という感じ。
新2番手のは、ショーヴラン役を前に、黒い役の予行演習かな、くらいに思って観ていたが、既に真っ黒でした…[ひらめき]
しかも、フィナーレは、まこっちゃん、どこー[exclamation&question]と、思うくらいのキラキラなスターさん[黒ハート]まだ、研8だというのに、全く危なげない2番手ぶり。
美稀の母親が、この複雑な物語のカギを握る見事な助演ぶり。
大スター役の壱城と映画監督の如月蓮が、しっかりと存在感を示しつつ笑いも取り、三枚目役として十碧れいやが笑わせる。瀬央は、中年となった第2部が渋くてカッコよく、意外な収穫。娘役は、なんといっても大スターであり、オーム・カプールの母を演じた愛水せれ奈の美しさが際立った。ラジオのアナウンサーのヴィミー(白妙なつ)は、ハリウッドにも似たようなキャラクターがいたような…と思わせる。これは、「ヴァレンチノ」を観た人に“これこれ!”と思わせるためだったのかしら[exclamation&question]

新生星組、最高の船出でした[exclamation×2]


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宝塚歌劇花組東京公演「雪華抄」観劇 [┣宝塚観劇]

先日、スタジオライフのファンの集いでいただいたお土産、こんな包装紙でした。雪華堂.jpg

こんなお店があるんだ~[るんるん]と、ワクテカ[グッド(上向き矢印)]

というわけで、花組公演の感想です。

宝塚舞踊詩
「雪華抄」

作・演出:原田諒
作曲・編曲:玉麻尚一
音楽指揮:大谷木靖
振付:花柳壽應、藤間勘十郎、尾上菊之丞、麻咲梨乃
装置:松井るみ
衣装デザイン・監修:丸山敬太
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:松木久尚
歌唱指導:山口正義
ヘアメイク監修:Eita
演出助手:栗田優香
衣装補:加藤真美、中村秋美
舞台進行:香取克英

原田諒先生、初のショー作品となる『雪華抄』、伝統的な宝塚の和ものショーらしさに溢れた秀作。初めて、原田作品を褒めた気がする。

<プロローグ 紅梅白梅>
全員が梅の花の衣装を着ての総踊り。幕開きは、もちろん、チョンパ[ぴかぴか(新しい)]
チョンパは、拍子木の“チョーン”の音の合わせて、パッと一斉に照明が点いたら、舞台上にずらっと出演者が並んでいる、という壮観な幕開きの光景を指す言葉だが、原田先生は、その場面の効果を増すために、袖の内側の灯りも消灯させているという。
出演者側も本当に真っ暗な中の移動になるので、前後の人と繋がってそろりそろりと舞台に出てくるらしい。移動が慎重になれば、衣ずれの音さえしないから、ますます効果は上がる。危険のない範囲で…とは思うものの、その拘りがプラスに働いたようだ。
和ものショーのプロローグといえば、慶長の若衆が定番だが、慶長といえば桜が多い中、あえて梅をテーマにしたところに新しさを感じた。和ものショーの定番は、季節が一巡してプロローグのところに戻るイメージだったが、梅から始まって桜で終わるのもいいなぁ~[るんるん]
大劇場を観た時は、あまり、「旬」ということを感じることはなかったが、東京では、お正月公演でもあり、梅がしっくりくる。もうすぐ、梅が咲いて、春が来るのだ、と寒さに耐えて劇場に通っている感じ[雪]
舞台中央の水の流れを模したセットも素敵だった。

ところで、「慶長の若衆」と、毎回書いている(プログラムにはこんな記載はありません)が、そもそも、なんで「慶長」なんだ[exclamation&question]あのヘアスタイルと、陣羽織を羽織ったような衣装を見ると、条件反射的に、「慶長の若衆」と書いてしまうのだが。
慶長年間の始まりは、豊臣秀吉の最晩年。(終わりは、大阪夏の陣の豊臣氏滅亡)その時代に行われた豪華な花見の宴のような、爛熟してるけど、後から見れば、儚いもの…それが、桜の花の特性と相俟って、日本人の大好きな春のイメージになっているのかな…と思っている。
とはいえ、今回は、梅、です。
桜はもちろんフィナーレに登場するが、桜でサンドイッチせずに、まずは、梅で幕を開ける。なかなか、新鮮でした[るんるん]
この場面の衣装が全員新調というのも、すごい[ぴかぴか(新しい)]太っ腹[わーい(嬉しい顔)]
そんな新しさもありつつ、内容は定番のプロローグらしく、華やかで美しかった。特に、和ものショーのお化粧を初めて見たが、桜咲彩花が雛人形のように美しくて、驚かされた[揺れるハート]

<花椿>
続いて、松本悠里による一人舞。
ここでは椿(雪椿)がテーマになっている。
バックに流れる影ソロ(音くり寿)の歌詞によれば、去年の雪が溶けて流れる2月が舞台。なるほど、梅⇒雪だと、なんとなく季節が後戻りしたようにも感じられるけど、どちらも2月…か。片や早春の喜びを歌うプロローグ、そして、一方では雪が残っている。それは決して矛盾しないし、それこそ日本らしい景色かもしれない。
情緒たっぷりの松本の踊りだが、歌詞が若干都々逸っぽいかなー。(そもそも芸者という設定なのかも[exclamation&question]
そのわりに、ラスト「散る」で終わるんだね…せっかく椿なのに…[あせあせ(飛び散る汗)]ってか、歌詞がかなりイミフ[爆弾]それっぽい言葉を連ねているわりに、何を言っているのかわからない。くりすちゃんの歌がクリアに聞こえるので、あれれ[exclamation&question]と思ってしまった。
は、童顔に似合わず、声だけだと、なかなか色っぽいなぁ~[黒ハート]

<鷹と鷲>
続いて、春。
鷹と鷲が大空の覇権を争う。
女性が一人でしっとりと踊るところから、一気に勇壮な男役の群舞になる辺り、メリハリがあって、とてもいい[ひらめき]
また、鳥といっても、鷲や鷹は、羽ばたくのではなく滑空する。そんな姿も見事に再現した振付(by藤間勘十郎)だった。
山のセットも中国の山水画のようで、美しかった。

<七夕幻想>
そして、夏の夜。
七夕の夜を楽しむカップルたち。浴衣姿が似合う。江戸時代の庶民という感じかな[exclamation&question]銀橋の鳳月杏桜咲のデュエットが美しいハーモニー。
そして、現実のカップルたちがハケた後、幕が上がり、そこでは、幻想的な七夕の風景が繰り広げられる。
彦星(芹香斗亜)と織姫(仙名彩世)を中心に、星空がつり下がった世界が美しい。舞台の奥行をすべて使って、盆が回って、天人と天女のカップルたちがポーズを取っているのが、本当に素敵[黒ハート]そのセンターで、苧環から織姫の織った布を彦星が引いている光景が美しくて[ぴかぴか(新しい)]
こちらは、天平時代辺りのファッションかな。中国風のテイストが、しっくりきてました。
ところで、冒頭の江戸風景が「七夕幻想A」で後半の織姫彦星が「七夕幻想B」なのね…[ひらめき]ちなつちゃんったら、なにげに、1場面もらったと考えていいのかしらね[るんるん](ちなつ贔屓[わーい(嬉しい顔)]

<波の華>
カーテンが閉じると、音楽が一変。勇壮なリズムの中、瀬戸かずやがセリ上がり、斎太郎節からスタート。中詰はノリノリの民謡メドレーだ[ひらめき](貝殻節~尾鷲節~佐渡おけさ~串本節)太鼓のリズムがエイトビートのロック調と融合して、血が騒ぐ[グッド(上向き矢印)]
斎太郎節や、佐渡おけさなど、誰もが知っているメロディーに混じって、尾鷲節や串本節など、へぇ~こんな民謡があるんだ~[目]と、思ったり、飽きさせない。妙に紀伊半島寄りだけど。
徐々に盛り上がったところで、トップ明日海りお登場。綾棒と呼ばれる銀の房のついた棒を両手に1本ずつ持ち、軽快に歌いながら操る。この総踊りは圧巻[ぴかぴか(新しい)]
さらにそこから、芹香の歌で、テーマ曲(音頭バージョン)が、夏を読みこんだ歌詞で歌われるのもニクい。ここでは綾棒を使って、寄せては返す波を群舞で表現している。いいなぁ、日本の夏。

<清姫綺譚>
一瞬の暗転の後、舞台には、安珍に扮した明日海
舞台上背景に、秋の月。安珍清姫の恋模様を舞踊劇にして見せる。
ぶっかえりのような歌舞伎手法と、大きな布を使ったマスゲーム的パフォーマンスの融合が素晴らしい。
一途に恋心を燃やす清姫(花乃まりあ)と、恋と修行に引き裂かれる安珍。安珍が修行を選ぼうとするところで、下級生男役たちが、安珍を守ろうとするかのように、周囲を取り囲んで踊る様は圧巻。女から稚児に逃げているようでもある…[あせあせ(飛び散る汗)](実は、日高川の波だそうです。)
赤いライトと旗で紅蓮の炎を表した場面もわかりやすく、清姫の痛々しいまでの愛に殉じる安珍の決心からのセリ下がりは、ドラマチック[ぴかぴか(新しい)]だった。短い場面なのに、芝居を一つ見たような充実感。

そして、冬。
舞台上の空間にまだ残る火の粉に混じって雪が降る。
若手の男役・娘役が8人ずつ、白い衣装で登場、静かに踊る。二人の霊を弔うかのように。和海しょうの銀橋での歌も雰囲気がある。

<フィナーレ 桜花夢幻>
そして、松本が桜の着物に身を包み、セリ上がる。
[るんるん]春よ、美しい春よ[るんるん]という歌で、少しずつ生徒が増えて行く。一人一人が違う着物。原田先生が生徒に合わせて選んだらしい。
ここの影デュエット(咲乃深音・愛乃一真)が素晴らしい[ぴかぴか(新しい)]
最後に、安珍清姫が復活したかのように、セリ上がる明日海花乃春って復活・再生の季節なんだなぁ~(冬に枯れたものが、春に芽吹くみたいな…)と気づいて、うるっとした。明日海が、[るんるん]春よ、美しい春よ[るんるん]と一節歌って、そこからテーマ曲が再び流れ、一同銀橋で挨拶して終わる。

久々に素敵な和ものショーを堪能した気分。原田先生、こっちに転向したらどうかなぁ…[exclamation&question]


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